2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧
病院の窓からの景色と良く似ていたせいか、入院中もなぜか窓から見えるケヤキの枝に癒されていた。
入院して53日目の4月28日に、予定より約2週間早く退院することが出来た。と言っても完治した訳ではなく自己管理の元に自宅療養することになっただけで、1ヶ月に1回通院して検査を受け、ステロイド錠を1錠ずつ減らしていくことになっただけだ。 雪の日に入院…
製版技術も印刷技術の進歩につれて、発達して来てはゐるが、まだまだ進歩の余地はあるであらう。しかし挿繪家としては、印刷用紙や印刷術や、印刷技術に制約された範囲内で技巧を駆使し効果をあげなければならないのである。 以上述べたやうに挿繪家は、制作…
『名作挿画全集』2巻(平凡社、昭和10年8月)と「さしゑ」第2号(『名作挿画全集』2巻付録、平凡社、昭和10年8月) 「さしゑ」第5号、「さしゑ」第9号 今回は、この中から富永謙太郎「内あけ話」(『名作挿画全集』2巻(平凡社、昭和10年8月)を転載させて…
美空ひばりは間質性肺炎を患って52歳で他界した。私も同病を患っているので、退院後の自宅療養では無理のないような生活をして、一生、ステロイド投薬は切れないかも知れないという病気とうまく付き合っていこうと思っている。美空ひばりも最後のステージ等…
病院食に不満がある訳ではないが、突然バリバリと生野菜が食べたくなり、野菜サラダを作ることにした。といっても、材料も容器もない。差し入れの時に置いていってくれたZiplocの容器をサラダボール兼盛りつけ容器にすることで器は解決。 野菜は既にサラダ用…
ところが木版と凸版とでは、木版の方が手工業的不自由があるだけ、雅味がでてくるのは当然だ。然し、だからといって今日、発行部数の多い雑誌の挿絵に木版を使うわけにもいくまい。かりに木版で彫っても、凸版にとり直して、紙型をつくることになる。 してみ…
♪でました〜6並び。
命長らえたことに感謝して、太陽にお礼を言おうと思い日の出を待っていたら、思い掛けない光景を眼にした。 これはまさに複十字病院の都市伝説と言える新発見だ。 まずは、この写真を見て欲しい。 朝5時25分、廊下に出たときに、朝日が廊下を真っ赤に染めて…
それがいい挿絵であれば、わざわざ埃にまみれて美術館まで出かけなくても、手軽に自宅で楽しめるし、いつでも手もとにのこるし、鑑賞者にとって、こんな嬉しいことはない。 あえて、私は、いい挿絵といった。あまりにも、現在、わるい挿絵が多すぎるからであ…
東側の窓から差し込む朝日の光 西側の窓の方を振返ると、廊下の奥まで光が差し込んでいるのが分かるだろう。つまりこの廊下はほぼ東西に向かって伸びており、建物の四辺も、あのクフ王のピラミッドのようにほぼ東西南北に位置しているものと思われる。 歩い…
本絵を描くのは、非常に高尚な仕事で、挿絵を描くのは、ひどく低俗なわざだと思いこんでいる人がいる。 一般世間で、そう誤信しているのなら、まだ許すべきだが画家自身の中に、そう信じ込んでいる者が、比較的多く存在するのは、全く救い難い。 「おれは本…
病院の庭は良く手入されていて、先週は桜が満開だった。この病院の総裁と言う秋篠宮妃殿下紀子さまが植樹されたという枝垂れ桜も見事に咲いていた。 今週からはボタン桜が満開で見事に咲き誇っている。 しかし、よく見ると、桜より面白いモノを見つけてしま…
いつもの朝食よりちょっと豪華に見えたのでメニュー表を見て調べたら、いつもより一品多かった。退院が近くなったので私だけにそうしてくれたのかと思ったら、そこまで暇ではないようだ。 ご飯、味噌汁、インゲンゴマよごし、白菜塩漬け、薄甘白花豆、の5品…
挿画を殆ど専門的にやった井川洗崖や鰭崎英朋の後に近藤紫雲、谷洗馬などは僕などと同時代に属したが、一方鏑木清方のあとに伊東深水、山川秀峰、鈴木浚秋(朱雀)などの麗筆時代があって岩田専太郎などの時代に続く訳だが、考えて見ると凸版時代になってか…
かれこれ4年ほど続いている某月刊誌の表紙画を入院しているからといって中止する訳に行かず、なんとか完成させて郵送した。 電話を使っての指示で、父の日をイメージしたモチーフを買いそろえてもらって、水彩道具を自宅から運んでもらうだけでも結構大変だ…
昨夜、病院の待合ホールで、男性カルテット、清瀬のダークダックスこと“ほろよいず”による慰問コンサートが行われた。演奏曲目は、唱歌「こいのぼり」など4曲、美空ひばりの曲から「東京キッド」など4曲、コマーシャルソング「日立」「日生」「サントリー」…
このように雑誌に於ける挿画の舞台は甚だ狭く、勿論挿画を本業の如くにしている人もあったが多くは風俗画家(浮世絵師)などの余業に属していた訳で、挿画を本業の如くにして居る人達でも所謂本格面も一と通りは出来たのだ。当時挿画という言葉があったかど…
この新製版術の登場に依って挿画も変化を来たし洋画が取り入れられ自然洋画家も出現した。斉藤五百枝とか田中良、清水三重三といった人がそうであろう。竹久夢二も時事新報へ久米正雄の『蛍草』だったかの挿画に特異な挿画をモノして注目された。 この辺で当…
病院内に設置されている自販機7台のうち4台が使用中止になっている。勿論計画停電に協力しての節電対策だと思うが、かなり不便になった。石原都知事が自販機は要らないといったが、意見としては理解出来るが、実際には困惑する人がたくさんいるのではないか…
それから漫画家として渡辺審也の時事新報に於ける挿画は一大特色を帯び、木版に編目彫りの創意を見せて注目をひいた。洋画家で新聞小説の挿画を描いたのは恐らくこの人が最初ではないかとおもう。 その新聞小説の挿画は凡そそれぞれの新聞の専属的になって居…
今回は細木原青起「《半世紀前の回想》木版から凸版への転換期」(「さしゑ」2号、挿美会、昭和30年8月)を転載して紹介しよう。 僕は別に挿画や漫画家になるつもりで画かきを志したのではなかったが、手ほどきをして呉れた先生が地方新聞の挿画を描いて居た…
身長170cm、体重70kgの理想の体重を調べてみると 次のように、いろいろと出てくる。 ● 標準体重の中央値の計算式のいろいろ ・桂の方法=(身長[cm]−100)×0.9=63kg ・ブローカの方法=(身長[cm]−100)=70kg ・ブローカの変法=身長165〜17…
病院食を1ヶ月も続けていると、今までの食生活は何だったのかと思うほど、全く別世界のモノに思えてくる。それほどに私達(?)はメタボ食品を食べるのになれてきてしまっている。1ヶ月経過して、体重は6kg減った。ややメタボだった私にとっては、思い描い…
だが然し、待てよ、傀儡師、鬼をだすも、女を出すも画家の自由であるが、へたな絵ばかり書いて、作家に復讐していると、いずくんぞ知らん、それは自らの墓穴を掘っていることになる。 やはりその小説を、少しでも光らしめようにしないと、自分の存在があやう…
今日、普通一般の日刊紙で、小説を掲載市内新聞の存在は考えられない。 これだけでも、新聞に於ける小説の地位と、その重要性を推察されることができる。 しかも、それらの小説には、必ず挿絵が配されている。戦前には、挿絵なしの小説が一流紙に掲載された…
入院したときは雪が降っていて、寒い日だった。それから1ヶ月。ケア木の木が芽吹いて緑が多くなって、窓からの風景もだいぶ春らしくなってきた。庭には秋篠宮妃紀子さまが植樹した枝垂れ桜が8分咲きで、春らんまんを呼びかけているようだ。 私はまだ外に出る…
宮田重雄:画、石川達三「四十八歳の抵抗」 これならば岡本太郎だってさしゑを描いてみればいいと思います。どこかで描かせればいいと思います。どんな絵を描くか、あるいは描かないか、それとも描けなければ、しかし、ウソだと思うのです。 私はさしゑの道…
木村荘八:画、永井荷風「濹東奇譚」 内田巖:画、徳田秋声「縮図」 さしゑは一作品ではなくてマスプロによって直接大衆によびかけることのできる絵の一種、とことわるまでもなく、樹分それの専門家として立っているものだし、立たねばならぬものだと思いま…