2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

まだ四十九日も済まないというのに、11月3日まで神保町・東京堂書店で只今開催中の「粋美挿画展」に出品する堂昌一(本名:堂前證一)先生の作品をお借りするために無理を言って10月19日に両国のお宅を訪問させていただいた。お嬢様と奥様が作品を用意して待っていてくれた。3時に訪問し終ったのは22時30分だった。その間、堂先生のアトリエでたくさんの資料を見せていただいたり、思いで話を伺ったりしながら、星恵美子先生や沢登みよじ先生、お嬢様の3人は展示用の作品を選び出しパネルにどんどん貼っていった。堂先生は几帳面な方で

私は体調不良を理由に展示の準備作業には加わらず、同大な数の作品の選択基準を「木枯し紋次郎」を中心にすることを決めたり、略歴の空欄を埋めたり、堂先生のもう一つの雅号の話を奥様に聞くなど、比較的楽な作業に携わった。略歴については「文芸随筆」No.…

堂昌一、もう一つの雅号・春日章の由来

堂昌一先生のお宅を訪問したときに、「春日章の雅号の由来は?」と質問すると、奥様が下記のようなメモをしながら説明をしてくれた。 奥様の小唄の名取名が「春日章一」で、これから「一」をとって「章」としたのがもう一つの雅号になった、とのこと。奥様の…

なお、29日30日は別のイベントが同じ部屋で開催されるため、急遽、展示作品が全て片づけられ見られなくなりました。

東京堂書店ショウウインドウに飾られた「粋美挿画展」ポスター 東京堂書店6階「粋美挿画展」入り口 濱野彰親コーナー1、ポスターに使われている森村誠一「棟居刑事の情熱」、森村誠一「青春の源流」、松本清張「黒革の手帳」、山崎豊子「大地の子」など 濱…

ここからは日本出版美術家協会会員のコーナー

西村春海氏、星恵美子氏、岐部たかし氏の作品コーナー 小宮山逢邦氏、沢登みよじ氏、麻利邑みみ氏、飯田勉氏、さとうかおり氏等の作品 石川吾郎氏作品、大西將美氏作品など 大西將美氏作品3点、下のオブジェ2点は大貫伸樹 古籐泰介氏、細川武志氏、大貫伸樹…

昨日、「粋美挿画展」の写真を撮りに神保町・東京堂書店6階に行ってきた。こんなにもたくさんの挿絵原画を見ることができる機会は滅多にない。シャーロック・ホームズよろしく虫眼鏡で原画を見ると、原画を見なければわからないそれぞれの画家の秘密の画法が見えてくる。例えば堂昌一先生は、スミ一色の印刷物の挿絵でも、筆やペン、コンテ、鉛筆、クレパス、ポスターカラー、水彩絵の具などたくさんの画材を使って描くそうだ。この違いを見分けるのは印刷物を見ただけでは分からない。やっぱり原画だよね。

これは堂先生宅を訪問したときの写真で、会場にはありません。 そんな原画がいっぱいの会場をしっかり撮影してきましたので、展覧会の全貌をお届けします。「粋美挿画展」は神保町・東京堂書店6階で10月27日~11月3日まで開催されています。

昨日は「粋美挿画展」の搬入日だったので、オブジェを担いで神保町まで行ってきた。地下鉄の階段を苦しそうに登りながら、途中の踊り場で休んでいたら、30代くらいかと思われる大きなサングラスをかけた女性が「大丈夫ですか?」と声をかけてくれた。「大丈夫です、ありがとう」と返事をしたら、大きなキャリーバッグをいっきに出口まで運びあげてくれた。お名前を聞く間もなく、地下鉄へと消えていった。ありがとう神保町の人!

町は多くの古書店さんが屋台を出すのに忙しそうだった。ちょうど12時少し前に着いたが、既に星恵美子さん、沢登みよじさんをはじめ数人の会員が到着していた。三々五々作品を手にした会員達が集まり始め、梱包をほどき展示が始まる。5時頃になるとほぼ完成。…

日本橋・ナンワギャラリーで10月24日〜30日まで開催される「伊勢田邦貴遺作展」オープニングパーティに行ってきた。意外といっては失礼だが、大盛況ぶりに驚いた。

「伊勢田邦貴遺作展」ウィンドウに飾られた大型の看板 芋をあらうような混雑ぶり 油絵から挿絵原画や印刷物まで幅広く展示されている

昨日夕方から始めた、「粋美挿画展」展示用のパネル作りがやっと終った。芯から疲れた。まだ療養中だというのに、この団体はよくもこんなにこき使うよな。

伊勢田邦貴:画、「天馬少年」「快塔王」など 伊勢田邦貴:画、「砂漠の英雄ロレンス」

やっとパネルの梱包が終わり一息ついていると、日本橋・ナンワギャラリーで10月24日〜30日まで開催される「伊勢田邦貴遺作展」の準備をしているチームから「リーフレットに掲載されている挿絵や本がない」との連絡があった。私は同時に神保町・東京堂書店6階で開催される「粋美挿画展」の準備で精一杯で、「伊勢田邦貴遺作展」の展示には関わっていなかったので、そんな事には気がつかなかった。故・伊勢田邦貴の作品は今回2つの展覧会に同時に出品することになってしまい、このような不手際が起きてしまった。すぐに「粋美挿画展」の梱包を

日本橋ナンワギャラリーで開催される「伊勢田邦貴遺作展」リーフレット、右下のモノクロの挿絵が「快塔王」の挿絵。 神保町・東京堂書店で開催される「粋美挿画展」ポスター、一番上の挿絵が伊勢田邦貴:画「砂漠の英雄ロレンス」 東京堂書店の「粋美挿画展…

挿絵画家・故堂昌一先生のアトリエのそこここに置いてある箱を開けると、そのどの箱からも素晴らしい挿絵原画が飛び出してくる。古い作品は原画の寸法も思いもしなかったほど大きく長編が60cmほどもある大作もある。大作は腕で描けるのでストロークも大きく線も生き生きしていい絵が多い。この大きさが堂先生の絵の評価を高くしている秘密かも知れない

堂昌一、挿絵原画保存箱 堂昌一、挿絵原画保存箱

わが家のベランダに、季節外れのハイビスカスが4輪やさしく咲いた。なにかいいことがやってくるのだろうか? そんな明るい気にさせられて、なんとなく嬉しく癒される。

「粋美挿画展」の開催日が近づいてしまい、失礼だとは思いながらも、まだ初七日を過ぎて間もないという故・堂昌一先生のアトリエを星恵美子先生、沢登みよじ先生、私の三人で訪問し、出品作品をお借りした。まずは堂先生に花を捧げ、ご焼香をしてご挨拶。奥様、お嬢様とのご挨拶もそこそこに、早速展示用の作品をお借りする話を切り出した。先ず第一に一番手を付けたのが気になっていた、原画を手に入れる前にポスターに使ってしまった「股旅新八景」の挿絵原画を探してもらうことだ。とりあえずこれがないと、ポスターを見て会場に来てくれた人に嘘

堂昌一:画、長谷川伸「股旅新八景」(光文社、昭和62年10月) 大貫伸樹:デザイン、「粋美装画展」ポスター 堂先生は几帳面な方で、ほとんどの作品が作家名や小説タイトルごとに綺麗にまとめてあった。堂先生の父親は指物師であった影響もあるのだろう、絵…

知人が原宿のギャラリーで、「ルリュール展」を開催するので、以前作った漆の表紙の本を出品して欲しいという依頼を受けた。古い話なのであまり気乗りはしないが、義理があるので強くは断れず遠まわしに断ったのだが、押し切られてしまった。今日は図録に掲載する写真のデータを送って欲しいというので、部屋の中で撮影した。

造本・製本:大貫伸樹、漆表紙の本1 造本・製本:大貫伸樹、漆表紙の本2

神保町・東京堂書店6階で10月27日~11月3日まで開催される「粋美挿画展」に、私も現役作家として出品することになった。 http://tokyodoshoten.co.jp/blog/?cat=3 手書きの挿絵はないが、オブジェを作り撮影して装丁に使ったものが、70~80点ほどあるので印刷物とセットにして並べようと思っている。大きなオブジェは邪魔になるので大半は壊して捨ててしまったが、小振りのものが20~30位は何処かにあるはず。そうおもってトランクルームや自称アトリエや、隣の女房の実家等を探してみたが

それよりも、手書きのリアルイラストを主流とするこの会に手書きでない装画を出品してもいいのだろうか、という疑問は残る。 オブジェ制作;大貫伸樹、「紙魚の手帳」no22(E+D+P研究所、2003年10月) これは、恐らく印刷物になった私の最初のオブジェ作品…

堂昌一さんの突然の訃報で、「粋美挿画展」のポスターに使う予定だった堂昌一:画、長谷川伸「股旅新八景」(「光文社時代小説文庫」昭和62年10月)の原画を入手出来ないまま、ポスターの締切りが来てしまった。夕方6時ころに「明日ポスターのデータが欲しいんですが大丈夫でしょうか?」との連絡が入り、何も用意していないので大慌て。堂さんの分は画集から選ぶことにした。この絵は光文社時代小説文庫、長谷川伸「股旅新八景」(昭和32年)で使われたものだが、原画だけではなく、この32年版も手元にはないが、30年後に刊行された62

「縞(しま)の合羽(かっぱ)に三度笠、軒下三寸借り受けての仁義旅……『股旅者も、武士も、町人も、姿こそ違え、同じ血を打っている人間であることに変りはない』。義理と人情のしがらみ、法の外に打ち捨てられた渡世人の意地と哀愁にそそぐ温かいまなざし…

10月27日(木)〜11月3日(木)(am10:00〜pm8:00 最終日am10:00〜am12:00)に、神保町・東京堂書店で開催される「粋美挿画展」のポスターができ上がった。画像は、展覧会場でそれぞれ約50本のパーテーションボードのうち10本前後を飾る、伊勢田邦貴:画「砂漠のロレンス」、堂昌一:画「股旅新八景」、濱野彰親:画「棟居刑事の情熱」の3人の作品のなかから使われている。

最初予定していた作品は、濱野彰親「大地の子」、堂昌一「木枯し紋次郎」、伊勢田邦貴「快塔王」でしたが、全部入れ替えになってしまった。1枚1枚見ているときの感動と、ポスターに割り付けたときの見栄えのよさは必ずしも同じではなく、いい絵が3枚集まって…

山崎豊子「大地の子」(「文藝春秋」1987年5月号から1991年4月号)の挿絵を担当した濱野彰親さんのアトリエを訪問し、10月27日から11月3日まで神保町・東京堂書店6階で開催される「粋美挿画展」に展示する挿絵をお借りしてきた。

濱野彰親:画、山崎豊子「大地の子」(「文藝春秋」1987年5月号〜1991年4月号) 濱野彰親:画、松本清張「黒革の手帳」 他にも、松本清張「黒革の手帳」や森村誠一「棟居刑事のラブアフェア」など、拝見しているうちにどれも素晴らしく、すっかり魅せられて…

堂昌一:画、多岐川恭「用心棒」(「週刊新潮」昭和52[1977~78]年)は、羊羹を思わせるような超縦長の挿絵を特徴としてシリーズ化している。堂51歳、人気急上昇中の時の作品で、妖艶な女性を描かせたら当代随一、気力体力ともに最も充実している時期の堂の代表的作品といえよう。

堂昌一:画、多岐川恭「用心棒」(「週刊新潮」1977~78年) 堂昌一:画、多岐川恭「用心棒」(「週刊新潮」1977~78年) 縦長の挿絵のシリーズは、岩田専太郎も柴田錬三郎「どうでもいい事ばかり」(「夕刊フジ」昭和43年7月〜12月)で試みている。 岩田専太…

堂昌一は、岩田専太郎に私淑しその画風を研究した。その証を見つけようとしたが、掲載した事例は堂が描いた挿絵の方が古く、適当ではありませんが、雑誌などの膨大な資料からなかなか探せず、今回はご勘弁を。目の中に別の絵をコラージュした例だ。この他にも堂の絵と岩田の絵の共通点を見つけることは出来るものと思っており、岩田は堂が追いかけてくるのを快く思っていたのではないだろうか、というのが今回の仮説でもある。

堂昌一:画、矢桐重八「ぬめ肌女郎」(「裏窓」あまとりあ社、昭和38年8月号) 岩田専太郎:画、八切止夫「ちゅうちゅう鼡」(「自由新報」昭和45年)

吉祥寺の某古書店で、ビニ本(?)の「中身の確認をしたいんですが……」とお願いしたが、店主に「帰れ」とイワンばかりに苦虫を潰したような顔で手で合図され、中身の確認は出来なかった。が、神保町・某古書店のSM雑誌などが一杯に詰め込まれた二階のレジ脇に、まだ値付け前のビニール袋で梱包されていない本を見つけ、パラパラとめくってみると春日章の名前が出てきた。こうしてやっと出会えたのが春日章:画、団鬼六「肉の顔役」(「SMファン」司書房、昭和57年3月)。もう一つの雅号である堂昌一で大きな飛躍をなしとげた昭和49年から

春日章:画、団鬼六「肉の顔役」(「SMファン」司書房、昭和57年3月) 春日が書く文字はいつも面白い。サインも独特だが「団鬼六」の文字も個性的だ。「第」などは、どうしてこのような形になるのか理解出来ないくらいにまで変形させて楽しんでいる。思い通…

知人の宍倉佐敏氏が7月に上梓した『必携古典籍古文書料紙事典』(八木書店、2011年7月25日、定価10,000円+税)が3ヶ月も経たないのにたちまち増刷になった。こんなにも高価な書物がこんなに短期間に増刷になるとは、さすがの装丁力!? いや失礼、宍倉先生のたゆまぬ努力と知識の集積のたまものです。版元でさえも想定外の嬉しい誤算だったのではないだろうか。そんな勢いに乗って、10月には神保町で刊行記念講演会が開催されることになった。

http://tokyodoshoten.co.jp/blog/?cat=3・『必携古典籍古文書料紙事典』刊行記念講演』 ──文字を記し、古くから伝わる和紙」── ・講師………宍倉佐敏 ・日時………10月15日(土) 開場14時30分、開演15時〜17時 ・会場………東京堂書店・神田神保町書店6階 ・入場料……

昨日、堂昌一告別式の帰りに、神保町で仕事の打ち合わせを済ませ、当然古書店巡りをしてきた。春日章(堂昌一)画;「四畳半壁下描き」の挿絵が掲載されている「あぶろまん」(日本出版社、昭和56年4月)や団鬼六「闇の乱舞」の挿絵が入っている「SMファン」(司書房、昭和60年8月)等を購入してきたが、ブログにアップするには自主規制が働いて掲載を躊躇していたが、モザイク入れて掲載する事を思いついたので、実行してみた。55歳の円熟した春日章が描いた力作である。堂昌一名で描いた「白蝋荘事件」と春日章名で描いた「四畳半壁下描

春日章:画「四畳半壁下描き」(「あぶろまん」s56.4) 春日章:画「四畳半壁下描き」(「あぶろまん」s56.4) 春日章:画「四畳半壁下描き」(「あぶろまん」s56.4)