2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

日本画家・平福百穂の装丁……4

■架蔵書で作る平福百穂装丁書誌一覧……4(※ ●印は前回の書誌一覧に新規追加したもの) 上記の写真は、写真上、土屋文明『ふゆくさ』(古今書院、昭和9年4版、初版大正14年2月)と、写真下、村上成之『翠微』(古今書院、大正14年9月)で、この2点の装丁制作に…

日本画家・平福百穂の装丁……3

■架蔵書で作る平福百穂装丁書誌一覧……3 (※ ●印は前回の書誌一覧に新規追加したもの) ・「新国民」挿絵(東京国民書院、明治38年) ・「斯民」第参編第拾四号(報徳会、明治42年) ・「婦人之友」(婦人之友社、大正6年) ・伊東左千夫『左千夫歌集第一巻』…

架蔵書で作る平福百穂装丁書誌一覧……2

(※ ●印は前回の書誌一覧に新規追加したもの) ●「新国民」挿絵(東京国民書院、明治38年) ・「斯民」第参編第拾四号(報徳会、明治42年) ●「婦人之友」(婦人之友社、大正6年) ・伊東左千夫『左千夫歌集第一巻』(春陽堂、大正9年) ●中村憲吉『しらがみ…

「不」のサインはやはりルンプ フリツ

昨年11月に下記のような記事を書いたら、kozokotani さんから「ルンプではないような……」というコメントをいただきながら、その後この「木太刀」という冊子が見つからず返事が出来ないでおりましたが、掃除をしていたら出てきたのでもう一度確認させていただ…

架蔵書で作る平福百穂装丁書誌一覧……1

・「斯民」第参編第拾四号(報徳会、明治42年) ・伊東左千夫『左千夫歌集第一巻』(春陽堂、大正9年) ・島木赤彦『太虚集』(古今書院、大正13年) ・新村出『南蛮広記』(岩波書店、大正14年) ・土屋文明『ふゆくさ』(古今書院、昭和9年4版、初版大正14…

平福百穂(1877~1933)

平福百穂(ひらふくひゃくすい),明治10年(1877) 秋田県角館に日本画家・平福穂庵の四男として生まれる。本名・貞蔵。13歳のころ父から運筆を習う。16歳で父の後援者・瀬川安五郎の支援の下,絵の修行のため上京,四条派の第一人者で東京美術学校日本画科の教…

まずは架蔵書でつくる百穂装丁本書誌一覧から

平福百穂についてはあまり情報も資料も持っていないので、どこまで書き続けられるか不安だが、とりあえずは私が所有している百穂の装丁した書物の一覧作りからはじめようかと思う。 百穂の装丁で有名なのは何といっても、奈良・正倉院所蔵の古鏡「鳥獣花背方…

高橋忠弥の芸術論3

前日の新聞記事のタイプアップ続きです。 沢田 時間的にも距離的にもずいぶん近くなっているのだから、今のような差というものはだんだんなくなっていくんじゃないか。 高橋 たしかに絵画精神の浸透は地域性をのり越えている。このクリーマーの問題も画壇の…

高橋忠弥の芸術論2

前日の新聞記事のタイプアップ続きです。日本画壇の偏向司会 抽象絵画についていえば一般人から最近の絵画は難しいとかわからないとかいう声が強い。しかもこれはどうも絵かきの方にもそれをいわせる原因──絵かき自身に本当の意味の抽象絵画がかききれてない…

対談記事で忠弥大いに語る

荒田秀也さんからお借りしたスクラップブックから「近代絵画を語る 沢田哲郎氏─対談─高橋忠弥氏」という内容の新聞切り抜きを見つけた。発行日は昭和29年10月と荒田氏の手書きの記録があるが、新聞名は不明。(他のスクラップとの関連から岩手日報か岩手新報…

忠弥への言い掛り!

結城音彦さんのブログには忠弥の人柄を知ることができるおもしろいエピソードも書かれているので転載させていただこう。 俳人・石川桂郎氏の『回想の文学歴遊』と題するものの一部である。ある晩、私は高橋忠弥氏と突然大喧嘩をやらかしてしまった。それは全…

忠弥へ言い掛り

昨日「一度手に取ってみたいものだ。」と書いた ・中村武志『埋草随筆』私家版(静和堂、昭和26年)が、 「西口界隈第二部酒場『ボルガ』のこと」 結城 音彦 http://hukosanbo.exblog.jp/3235334 に写真が掲載されているので転載させていただきます。 他にも…

高橋忠弥を検索してみると

35点の忠弥装丁本がでてきた。私のブログでは90点ほどの忠弥装丁本をリストアップしてきたが、それでも記録されていない本が『装丁家で探す本』には16点ほど見つける事が出来た。 私の場合は、架蔵本と「本の装い」に記載されているデータだけで作った忠弥の…

私が集中して集めている広川松五郎の装丁本の項目を検索してみると

下記写真のように37点記録されていて、私が5~6年かけて集めた本の半数以上が記載されている。かなり使える。しかし、こんなにたくさんのデータを入力するとかんがえただけでもうんざりしてしまうが、著者本人が全部入力したのだろうか? 考えられないほどの…

やッ!これは便利!『装丁家で探す本』は待望の本だ!!

かわじもとたか編『装丁家で探す本──古書目録に見た装丁家たち』(発行=杉並けやき出版、発売=星雲社、2007年6月15日、装画・芦田康秀、定価3150円税込み)というまだ発売日になっていない、出来立てのほやほやの本が著者のかわじもとたかさんから送られて…

■高橋忠弥の装丁書誌リスト8・吉田時善『地の塩の人』(新潮社、1981年) ●渡辺喜恵子『北国食べもの風土記』(女子栄養大学出版部、1981年) ・渡辺喜恵子『みちのく子ども風土記』(毎日新聞社、1982年) ・渡辺喜美子『暮らしのつくろい手ばたらき』(文…

マッチラベルだけではなく雑誌「暖流」も

「ボルガ」のマッチラベルでお世話になった結城音彦さんのブログ http://hukosanbo.exblog.jp/3228858 には、私が探している本命の装丁の話もあり、高橋忠弥が装画を寄せている雑誌「暖流」が記載されていた。 これは、思いがけない拾い物情報だ。またまた結…

戦前の高橋忠弥装丁本がいつもの店にあった

何度も足を運んでいるが、結構見落としてい本がたくさんあるらしい。今回もいつも行く「百年」で、高橋忠弥装丁本、佐々木邦『奇物変物』(大都書房、昭17年)をみつけた。最近追加したものなのかもしれないが、きっと見落としていたんだろう。 この戦前版の…

大切な歴史的な資料でもあるマッチラベル

これは私のマッチラベル(燐票ともいう)コレクションの中では最も大事な2つになった。もうひとつのたいせつなマッチラベルとは、東郷青児が描いたもので、江川正之が白水社にいたときに編集した『恋愛株式会社』の宣伝用に配ったもので、少雨荘『日本好色燐…

高橋忠弥の絵が使われている新宿西口「ボルガ」のマッチラベル

インターネットで「高橋忠弥」を検索すると924件がヒットした。これを丁寧に片っ端から読んでいくと、風胡山房 http://hukosanbo.exblog.jp/3222076 に、新宿西口「ボルガ」のマッチラベルに忠弥の絵が使われていたという記事を見つけた。写真は風胡山房に記…

画家忠弥が他人の装画を使って装丁をした

タイトル文字は忠弥が書いたものと思われるが、高橋忠弥の装丁では珍しく自分の装画を使わない装丁がある。佐多稲子『機械の中の青春』(角川小説新書、昭和30年)がその本だ。忠弥の装丁本とは知らずに、「機械主義芸術論」魅せられてからというものは「機…

高橋忠弥装丁、石上玄一郎『発作』(中央公論社、昭和32年)を3冊500円コーナで発見した!

白百合女子大学の図書館に勤めていたAさんが、この4月から中京大学准教授になって赴任したので、そのお祝いパーティがお茶の水のホテルであった。せっかくお茶の水まで行くのなら、神保町古書街に行かない手はないとばかりに、ちょっと足を伸ばしてみた。 何…

8月3日(金)20時から、吉祥寺「百年」で「私の好きな装丁家8人衆」講演会

8人の装丁家とは 橋口五葉 杉浦非水 恩地孝四郎 木下杢太郎 竹久夢二 村山知義 柳瀬正夢 斎藤昌三村山・柳瀬のアバンギャルドな装丁や斉藤の番傘や蓑虫を使った装丁、杢太郎と凡骨のコンビネーションから生まれる伝統的な手摺木版画を使ったぜいたくな装丁な…

高橋忠弥に関する資料を担いで事務所を訪ねて来てくれた画家・荒田秀也さん

私が高橋忠弥に関する話を書いているのを知って、父親が忠弥の同僚で、本人も忠弥の影響を受けて進路を決めたほどに影響を受けているという荒田さんが、高校生から大学生の頃に作ったというスクラップブックをもって、事務所を訪問してくれた。 中にはたくさ…