2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧

DISCOVER JAPAN

この企画は、1970(昭和45)年、好評を博した大阪で開催された日本万国博覧会での鉄道旅行客の需要をその後も維持するために、当時の国鉄が考えだしたのが「DISCOVER JAPAN」キャンペーンだそうだ。このとき全国約1400の駅に記念スタンプと専用のスタンプ台…

昭和裏面史に魅せられてしまった

おおばの話とは別に、ついでに出てきた「駅のスタンプ」の歴史や「駅弁」の歴史なども興味を引かれ、昨夜の調べ物は、横道にそれっぱなしであった。「駅のスタンプ」は1931(昭和6)年、福井駅が最初だったようだ。その発生のルーツは「もともと鉄道と郵便輸…

どこから始めるか? 

おおば比呂司の装丁作品を集めるのは、とりあえず順次進めるとして、何を調べたらいいのかを考えてみた。 おおばの略歴の中で、一番目を惹いたのは1982(昭和57)年61歳の時に、家族とオランダ、アムステルダムに移住した事である。1942(昭和17)年に徴兵で…

おおば比呂司のキャラ解剖

おおば比呂司装丁、荻昌弘『快談快食 味のふるさと』(日本交通公社、昭和53年)のジャケットには、8人の調理人の絵が描かれているので、この絵からおおばの人物画の特徴を探してみよう。 顔は、面長が多く、軒並み下膨れである。鼻もユーモラスなくらいに大…

ミノムシはガの幼虫

200年以降、宮崎県や徳島県では、オオミノガを絶滅危惧種としてレッドデーターブックに記載。ミノムシは、ミノガ科に属するガの幼虫で、口から吐く糸で小枝や葉を器用にあしらいながら、丈夫で独特の風情を持つミノを織り上げる。

ミノムシは絶滅危惧種

最近ミノムシを見る事が無くなったと思っていたら、東京だからという事ではなく、ミノムシの代表格のオオミノガは、中国から侵入してきた「オオミノガヤドリバエ」というハエが寄生し、ミノムシを絶滅に追い込んでいるのだそうだ。

ミノムシを加工する

その記事によると「ミノを切り開いて手洗いし、小枝や葉を除くと弾力のあるフェルト状の「まゆ」が現われる。アイロンをあて乾かせば1枚の生地になる。これを接着剤でつないだりミシンで縫ったりして札入れを作る。一つ作るのに70〜80個のミノがひつようだそ…

蓑虫を使った本

以前このブログ16でも蓑虫を背に使った小島烏水『書斎の岳人』(書物展望社、昭和9年)を紹介した事がある。背の部分を見ていただくと、一辺が2cmくらいの◇模様を確認できるものと思います。実は、これがミノムシの蓑一匹分なのです。この背には、30匹ほど使…

手摺り木版刷の装丁

明治期、大正期には手摺木版刷の版画を使った装丁といっても珍しくはないかも知れない。 恩地孝四郎装丁、吉田絃二郎『芭蕉』(改造社、大正15年2月16版、初版は大正12年7月)の表紙は、芭蕉の葉をモチーフにした図案で、手摺木版画が使われている。具象版画…

以外とシャイで臆病なんです

この二人の共通点探索をやってみようと思う。そんなことをやっていないで、安野光雅さんに直接インタビューしてしまえばいいのではないかと、思っている人も入るだろうが、そんな突撃インタビューができれば、ブログでおたくごっこなんてやっていないですう…

安野光雅殿共通点が……?

かつて、『装丁探索』を書いていた頃に、安野光雅さんの絵本を沢山集めた事があった。安野さんは、不思議な絵を描き始めた頃からのファンだったので、安野さんの本は100冊を越えるコレクションがある。安野さんには、迷惑な話しかもしれないが、ふと、おおば…

おおば比呂司の絵本-その1 

おおば比呂司装丁・著『絵筆の旅 ヴァン・ゴッホの蜃気楼』(講談社、昭和59年)は、何となく古書市でジャケ買いしてしまった本だ。「胸キュン本」だろう? といわれれば、その通りなのだが、それだけではない魅力を感じている。

松井はいいなあ

こんなシステムが採用されれば、装丁家はいつも競争にさらされ緊張するし、装丁家にとっても、1点10万円とか15万円などというちまちました話ではなく、年商数千万円あるいは億万長者が誕生するかも知れません。「愛だからいいのよ」の場合は、定価1580円だか…

私の夢がちょっと近づいた?

「愛だからいいのよ」は、私が夢に見ていた、「1冊の本に数人の装丁家による多種類の装丁を用意して、選択された(売れた)回数によって、それぞれの装丁家には印税のようにして装丁料金が支払われる」というようなシステム誕生を予感させる出来事ということ…

リトマス紙を試してみたが……

同じ本に、4種類のジャケットを用意したようだが、これもさすがの講談社だ。もう10年くらい前のことかもしれないが、乃木坂にあった日活会館で、日本図書設計家協会主宰の林望氏の後援会があった。そこで私は「いずれ、インターネットが普及したら、ジャケッ…

リンボウ先生に電子ブックの知識の

インターネットで色違いを見ることが出来る

更にジャケットの袖には《インターネットでカバー4色すべてがご覧になれます。「講談社ブック倶楽部」(http: //www……)の「検索コーナー」で、書名(愛だからいいのよ)または著者名(内田春菊)を入力してください。》だって。

ジャケットは4種類の色違いがある

栞の色もジャケットのモデル(著者?)の髪の色に合わせてある。このジャケットには、コメントが付いていて、 《『愛だからいいのよ』のカバーは、ホワイト、ブラック、ブラウン、ブロンドの4色あります。(本文の内容は同じです。)》とある。ちなみに、私…

栞が12本も付いている

内田春菊『愛だからいいのよ』(講談社、2002年7月)は、最近稀にみるゲテ装本だ。ただそれだけで十分に嬉しい本だ。栞が12本も付いているのがすごいよね。1折りごとに栞が付いている事になるが、もちろんそんな機能的なことを目的として付けるはずなんかな…

現代装丁の快挙!ゲテ装本

岸田劉生の師、清宮彬

清宮彬(せいみや ひとし)の装丁を集めているが、今までに20冊ほど集めただろうか。それ以上なかなか蒐集が進まなかったが、先週久しぶりに清宮彬装丁、中村亮平『聖者の生活 荒野之光』を購入することが出来た。表紙の布が虫に食われているなど、保存状態…

昌三は私が育てた!

『日本古書通信 斎藤昌三翁追悼特集』(日本古書通信社、昭和37年2月)に、長尾は《大正十年夏、世はパニック時代というのに、私は意気揚々と、前記の会社を足蹴にできたのは、斎藤さんの口ききで、同年末、崇文堂発行「芸術」(雑誌)の編集にたずさわる予…

今さらながらケテ本に物申す?

《なるほど『書痴の散歩』を筆頭とする一連の随筆集には、多大の敬意を払うに断じて吝かではなかったものの、短いエッセイ、短い論文、短い随想などの収録に、思い切ったよそおいを凝らした装幀を、敢えて施す昌三さんの興趣には、どうにも賛意を表し難い私…

昌三なき今だからこそ?

『はだかの昌三』には、巻頭から過激な斎藤昌三批判が続く。長尾桃郎の文章には、ここで言わなければ腹の虫が納まらない何かがあるかのように、ゲテ本についても叫び続ける。まるで亡き斎藤への魔女狩りであるかのようだ。 《……私は、『書物展望』の購読者で…

こんな失礼な追悼号が!

頒布者坂本篤『以茂随流 終刊之巻 はだかの昌三』(有光書房、昭和37年5月)文庫判88ページの巻頭言「『いもずる』終刊に際し」には、坂本篤によって下記のような発刊の経緯が記されている。《齋藤さんの生んだ『いもづる』も昭和十六年以来永いこと休刊して…