2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

院内ストレス(闘病記2011.3.28)

院内感染という言葉は聞くでしょうが、院内ストレスは私の造語です。入院するということはみんな何らかの原因があって入院するのだから、相部屋の場合は多少の我慢しなければならないこともあるだろうと覚悟はしてきたつもりだったが、実際は想像をはるかに…

著者と挿絵画家が一体となって一本の小説を作り上げていくことを「画文協働」とか「画文共鳴」などという表現があるように、画家と作家が何か共有するものがある時には、本当によい作品がうまれることが多い。幼くして母を亡くしたどうしであったりとか、同郷人で趣味が同じであったりとか、その共通点がテーマの小説に出会うことは数少ないだろうが、傑作を世に残す大きなチャンスでもある。

田代光の代表作の一つでもある浜本浩「浅草の肌」(「東京日々新聞」昭和22年)もそんな著者と挿絵画家が一つになって作り上げた新聞小説のひとつだ。 「夕刊『東京日々新聞』が復刊したのは昭和二二年頃です。これは浜本浩さんとボクのコンビで当時の混乱し…

自分なりに努力をし、研さんを積んできたという自負はあったが、やるべき時期に学校に通って基礎的な勉強が出来なかったという負い目を感じていた。そんな光に自信をくれたひと言があった。

「麻布三連隊の写生会は、たしか昭和十八年頃の様に記憶している。吉田貫三郎・三芳悌吉らの画友も次々に兵隊に取られた。私は丙種のせいもあって、昭和二十年に入るまで東京にうて挿絵を徹夜で描いていた。世間は僕を挿絵画家と思っている。事実、僕の描く…

田代光が、白日会に初入選し太平洋画会に通いだし、やっと画家への道を歩み始めようとした15歳の時に、父親が失業したため絵の勉強をやめ、家長として一家9人を養わなければならなくなってしまった。挿絵を描いて一家を支えようと決意し、光はその時から部屋にこもって挿絵の勉強を始めた。

16歳の頃、雑誌「キング」などからカットの仕事をもらえるようになり、『少年化学新聞』の口絵、挿絵、漫画、工作物など一切を描き月給20円をもらったこともあった。 19歳のときに描いた野村愛正「光を行く」(「キング」)が連載小説の挿絵の最初だった。そ…

トイレの神様(闘病記3.24)

枕が変わると眠れないのは私も例外ではないが、それだけではなく、便秘もついてくるからやっかいだ。入院して3日間便秘が続き、センノサイトを処方してもらった。翌朝になっても何の効果も見られなかったので、その場でもう一錠飲んでみた。今度はとんでもな…

夜の病院は「高野聖」?(闘病記3.23)

病院の夜、そこには予想だにしなかった昼とは全く違った世界が繰り広げられていた。 消灯の時間が来て1時間ほど過ぎると、隣のベッドからはまるで豚小屋にいるかのような「ブビー、ブビー」と騒がしい豚のようないびきが聞こえてくる。 足元の方からはウシガ…

病院食でダイエット……その2

入院した頃は、体調も悪く、早く歩いたり階段を登ったりすると呼吸が苦しくなってしまい、鼻には酸素の管が付けられ、腕には点滴の管がついているような状態でしたので、病院食だけでも満足でした。が、治療が始まり1週間経って体調がよくなると、特に食事の…

複十字病院は全国DPC加盟病院(2009年、約1.600病院)のなかで、呼吸器系疾患の扱い数で都内第一位。肺ガンの扱い数で都内第3位となりました。

……………………………………………………………… 呼吸器系疾患 月平均患者数 ……………………………………………………………… 複十字病院 182.7 東邦大学大森病院 178.5 東京医大病院 171.7 ……………………………………………………………… 肺がん 退院者数 平均在院日数 ……………………………………………………………… 国立がん研究センター中央…

ちょっと安心かな

入院中の病院の掲示板に下記のような張り紙がありました。

そして「僕は挿絵を二義的な芸術とは思っていない。むしろ、かなり高度な絵画芸術だと思っている。本気を出して挿絵を描いてごらんなさい。少々絵が描けるくらいでは挿絵にはなりません。僕が考えている挿絵とは、映画に例えると、監督・カメラ・俳優(主役から端役まで)を一人でやり、一人でやれる腕と能力を持っていなければ務まらないものだと思っている。しかし、そんなことが出来る画家は稀にしかいない。」(「あとがき、前掲書『変手古倫物語』)とのメッセージが気に入ったことだ。

これを読んで、小林恒美にも興味を持ったのだが「彼は自分の命までも我々より先立たせてしまったのである」(前掲書『変手古倫物語』)と、あるように、若くして亡くなってしまったのか、小林恒美に関する本などをネットで探してみたが、見つからなかった。

『変手古倫物語(へんてこりんものがたり)』

闘病生活は、昼間は1時間ごとの検温、血圧検査、点滴、3度の食事などに追われて何もできず、21時に消灯してから朝6時の点灯まで9時間も真っ暗の中で、夜が長く退屈だ。昼間の暇な時間に田代光『変手古倫物語』(美術倶楽部、昭和56年)を読んだ。入院中なの…

病院食で驚くべきダイエット効果!

入院して今日で11日目になる。ダイエットのために入院したのではないが、昨年夏には78kgあった体重が、今は72.5kgになった。入院する前は76kgだったが、それでもここ20年間どうしても破れなかった73kgの壁をあっさりと破ってしまった。 これというのも、病院…

一昔前のパソコン

電波状態の悪い中でのWiMAXを使ってのブログは、一昔前のパソコンのように、立ち上げる時に、数センチメートル位づつパラパラと画面がでてくる。それでもシャバの空気が吸いたくてパソコンを立ち上げている。 食料やガソリンの不足など、大変な時期に入院し…

WiMAXルーターが気まぐれで

WiMAXルーターでメールを送ったりしようとしているのだが、電波の状態が悪くなかなか繋がらない。おまけに病院の通信可能エリアは暗いし、思うような交信が難しい。1回では繋がらず何回か繰り返していると、まるで偶然のように繋がるのだ。 今日は自宅から…

新宿で大地震に被災

入院中だったが、外出許可をもらい、新宿の事務所で仕事をしていたら、いきなり地震に襲われた。事務所の壁面はほとんど本なので、いきなり津波のようにドサドサと崩れ落ちてきて足の踏み場もなくなった。台の上にあったテレビやステレオは、電源を引きちぎ…

3月6日(日)2時から開催予定の田端文士村記念館講演会「新聞小説挿絵と石井鶴三・岩田専太郎」が、満員になり補助イスを出すような状態だそうだ。発売がこの日に間に合うのかどうか心配した「粋美挿画」第2号だが、ぎりぎりの昨日に納品され、ほっとした。講演会会場で、「粋美挿画」第2号が最初に販売される。

http://d.hatena.ne.jp/shinju-oonuki/20110218 昨日は、「粋美挿画」第2号を書店に100冊配本し、出版社や国立国会図書館、「本の手帳」の執筆者など30名に宅配便で送り寄贈した。 今日は、これから講演会の原稿の仕上げに取り掛かる。 会場で配るレジュメ