2012-01-01から1年間の記事一覧

真空ホロウの新曲「小さな宇宙」

真空ホロウの新曲「小さな宇宙」発売。真空ホロウのレギュラーラジオ番組「ZIP-ROCK RADIO」もZIP-FMにて1月より毎週水曜日 23:30-23:57(初回放送は1月2日)放送開始決定!。 日常の違和感を鋭角的な視点で切り出し突き刺すようなメッセージ、クセになるメ…

『濱野彰親挿絵原画集』発売

年明けの1月8日から3月30日まで、彌生美術館で「挿絵画家の重鎮 濱野彰親展」が開催される。展覧会開催に合わせて発売された松本品子編『濱野彰親挿絵原画集』(ラピュータ、2012.12、B5変形版128P、2800円+税)が、濱野先生本人から送られてきた。濱野先生…

ルイス・キャロル手書きの原本『Alice’s Adventures Under Ground』

『不思議の国のアリス』の原本は、どんな本なのたのだろうか、とおもい探したら、『不思議の国のアリス・オリジナル』(書籍情報社、2008年11版)、大英博物館所蔵のキャロル手書きの原本『Alice's Adventures Under Ground』の復刻版(写真中央)と日本語訳…

水彩画家・大下藤次郎を知りたければこの2冊

日本初の水彩画指導書『水彩画之栞』を著したり、水彩画専門誌『みづゑ』を創刊するなど、水彩画の普及に貢献した大下藤次郎についてもっと知りたいという方に高階秀爾監修『水絵の福音使者 大下藤次郎』(美術出版社、2005年、定価〔7,800+税〕円、写真左)…

これが日本初の水彩画指導書・大下藤次郎『水彩画之栞』

大下藤次郎(おおした とうじろう、1870 -1911年)は、1891〔明治24〕年、中丸精十郎に学び、翌年頃から三宅克己との交友があり、水彩画へと傾斜していく。1893年明治美術会会員となり,水彩画を研究。1896〔明治29〕年からは,原田直次郎に師事。この頃から…

伊藤静雨(晴雨と同一人物)のサイン

今月初めに、SMペディアの小竹さんから「大貫様のブログで晴雨と漢字は違うが同姓同名の挿絵画家・伊藤静雨を『風俗画報』にみつけた。とありましたが……これは発行年月はいつのものなのでしょうか?」との質問をいただき、久しぶりに事務所に行ったので、…

お隣のおばあちゃんが女流詩人・堀内幸枝さん

三軒隣にお住まいの女流詩人・堀内幸枝(大正9〔1920〕年〜)さんから、日本現代詩人会・新名誉会員になったとの封筒にはいったお知らせがドアポケットに入っていた。留守中に届けてくれたのだろう。 堀内さんには、あの伝説の編集者・伊達得夫の出版社・書…

除籍本の絵本を楽しむ

毎度、除籍本の話で申し訳ありません。今回もこんなすてきな本をいただいてきてしまいました。H.A.レイ『さあ たべようね』(文化出版局、1970年)。動物園の飼育係が餌をやる10場面がただ続いているだけで、上の繪のマン中を開くと下の絵のような動物に餌を…

水彩絵の具での抽象画

大学受験のために予備校で水彩画を少し描いたことがあるが、最近、独学で水彩画を描いている。水彩画に関する歴史書から描き方の入門書まで本だけはたくさんたまったが、集めた本の数は腕の上達を保証してはくれないようだ。今度こそはうまくなれそうという…

時代を写す装丁

2007年6月、太宰治『人間失格』(集英社文庫、2008年)のジャケット(カバー)を、『ヒカルの碁』『DEATH NOTE』などで知られる漫画家・小畑健氏が描いたイラストに掛け替え新装改訂版を出したとたん、わずか1ヶ月半で古典的な名作としては異例の7万5千部を…

昭和戦前に「日曜報知」(昭和5年創刊)紙上で活躍した二人の画家・小野佐世男と小村雪岱の展覧会が、平成になって同時に開催され、その図録が今日一緒に手元に届いた。

1冊は、なんと、昨夜10時にネット通販に注文した「モガ・オン・パレード 小野佐世男とその時代」展の図録が朝9時に届いた。川崎市岡本太郎美術館で開催中の展覧会だが、体調のいい日に何とか足を運びたいと思っているが、アクセスが悪いので行けるかどうか迷…

石井鶴三:画、吉川英治「宮本武蔵」は朝日新聞紙上に、昭和10[1935]年8月から14年7月まで、その間半年ほどの休載をおいて連載された。挿絵の前半は矢野橋村が担当し、後半にあたる「空の巻」「二天の巻」「円明の巻」を鶴三が描いた。

鶴三の挿絵は評判が良くかつて何度も出版され、古書で容易に見ることが出来る。今回入手したきれいな状態の函に入った石井鶴三:画『宮本武蔵挿絵集』(朝日新聞社、昭和18年)をはじめ、『現代名作名画全集2 石井鶴三集』(六興出版社、昭和29年)や、新聞…

加藤敏郎(1927[大正2]-1993[平成5]年)の挿絵に感動

「粋美挿画展 時代小説の世界」最終日に行ってきた。加藤敏郎(1927[大正2]年3月31日―1993[平成5]年6月4日)の味のある挿絵に感動。墨1色で描かれた挿絵だが、原画を見ると印刷では表現されていないトーンや戦で闘っている武士達の一人一人のしぐさや表…

「びらんじ」19号(竹内オサム、2007.4)に、小川未明9冊目の小説集『白痴』(文影堂書店、1913[大正2]年)の口絵として戸張孤雁が描いた小川未明の肖像画が掲載されていた。浮世絵風の挿絵全盛の時代に、見事すぎるこの挿絵を描いた孤雁も採用した未明にも拍手をおくりたい。『白痴』を探しているがまだ手にしてはいない。

「びらんじ」19号(竹内オサム、2007.4)が届いた。私が読みたかったのは上笙一郎「近代最初の挿絵研究文献──『孤雁挿画集 壱巻』」。発行部数が少ないので実物を見る事は出来ないであろう『孤雁挿画集』についてのB6判12頁におよぶ原稿に感激。ほかには、竹内オサム「『正チャンの冒険』余談」など興味深い論考が盛りだくさんだ。

『戸張孤雁集』(碌山美術館、昭和61年)が届いた。詳細な「戸張孤雁年譜」が記載されているのが嬉しい。それよりも、石井鶴三「戸張孤雁氏を憶ふ」という追悼文が記載されており、そのなかに挿絵画家としての戸張孤雁について書かれている部分があるので転載させてもらおう。

「彫刻家として又版画家としての氏を知る人は多いかと思ふが、挿絵画家としての氏を知る人は案外少なくはないかと思ふ。ところが実は戸張君は寧ろ挿絵の専門家として最初に世にあらはれたのであつた。 明治40年の頃と記憶する。戸張孤雁といふ人が、アメリカ…

鶴三は『孤雁遺集』(非売品、昭和5年)序に「彫刻家としての君を知る人は多いが、其前身が挿絵画家であった事を知る人は少ないでありましょう。少(わか)くして米国に渡り彼地で挿絵を専門に研究されたのであります。帰来我国に洋画風の挿絵の普及に努力されたのでありますが、当時は浮世絵風の挿絵が専ら行われて居た時代で、時節の早かった為め君の努力も人の顧みるところとならなかったのは、折角の宝ももちぐされにした感があって惜しいことでありました。其の後10年にして漸く洋画風の挿絵が世に行われるようになりましたが、君の努力が先

石井鶴三が描いた洋画風挿絵が評価され挿絵界に大きな影響を与えたことは既に知られているが、それ以前に、受け入れなかったとは言え長原止水や戸張孤雁の洋画風挿絵への挑戦があった。止水については、後に明星などでも活躍するので比較的簡単に資料を入手する事が出来るが、孤雁は挿絵画家へ見切りをつけて彫刻家に転身した為、挿絵画家としての文献や資料は少ない。

そんななか、戸張孤雁:挿絵、木下尚江『小説 乞食』(昭文堂蔵版、明治41年)が届いた。当時流行っていた浮世絵風の挿絵とは全く違う画風のモノクロームの挿絵が2点挿入されており、その写実的な画法は石井鶴三:挿絵、上司小剣『東京 第一部愛欲篇』(大鐙…

石井鶴三、新聞の挿絵についての講演録

石井鶴三「挿絵寸感」(『明治・大正・昭和 挿絵文化展記念図録、昭和16年)に、鶴三の挿絵芸術論とも言うべき新聞の挿絵についての講演録が記載されているので再録させていただく。 「現在挿繪と云われて居るものにはいろいろ種類がありますが、其中で私が…

石井鶴三が戸張孤雁の挿絵界への貢献を講演

石井鶴三「挿絵寸感」(『明治・大正・昭和 挿絵文化展記念図録、昭和16年)に、東京美術院研究科で知り合った戸張孤雁の洋風挿絵の先駆者として挿絵界への貢献について述べている件があるので転載させてもらおう。「明治の末から、大正初期にかけて挿繪の衰…

)『明治・大正・昭和挿絵文化展記念図録』(日本電報通信社、昭和16年7月)巻末に「『名作』に因る新作挿絵作品展観出品目録」67名の挿絵出品作品一覧が掲載されている。当代の挿絵画家が網羅されているわけではないが、代表的挿絵画家といってよいだろう。

全ての挿絵をアップできれば良いのだが、労力を惜しんで画家名と作品名の一覧だけの掲載でお許し願いたい。日本挿絵画家協会のメンバーとの関連性などについてもこれから調べてみたいと思っている。 http://d.hatena.ne.jp/shinju-oonuki/20121030 石井鶴三…

高島屋包装紙のバラを描いた高岡徳太郎

「粋美挿画展」を見た後、古書モールや青空古書市を眺めて歩いた。数冊購入した中に「サンデー毎日」(大阪毎日新聞社・東京日々新聞社、昭和12年9月号)がちょっとした掘り出し物。ほのぼのと癒される表紙がいいのは勿論だが、初めて出会う挿絵画家の絵がた…

石井鶴三が挿絵をアートに

石井鶴三の話をネットで調べていたら、朝日新聞社のHPに http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY201102150171.html 「鶴三が34年、『大菩薩峠』の挿絵集を出そうとすると、介山は出版中止を求める訴訟を起こした。「物語から着想を得た挿絵は小説…

『明治・大正・昭和・挿絵文化展記念図録』

「粋美挿画」3号の巻頭特集「挿絵画家・石井鶴三」の話を書き始めたのだが、高価な本なのでなかなか買えずにいた不破瑳磨太編『明治・大正・昭和・挿絵文化展記念図録』( 日本電報通信社、昭和16年)をとうとう注文してしまった。石井鶴三の「挿絵寸感」…

『小松崎茂と昭和の絵師たち』と同じ画家が

散歩がてら図書館に行って平野克己篇『小松崎茂と昭和の絵師たち』(立風書房、2002年)を見ていたら、神保町・東京堂書店で開催されている「粋美挿画展 ミリタリーアートの世界」に出品している画家たち、小松崎茂、上田信、大西將美、水野行雄、梶田達二、…

日本出版美術家連盟会長・濱野彰親さんから戦前のさし絵画家たちの集合写真が見つかった、といって下記のような印刷物のデーターが送られてきた。まだ未確認だが、戦前14年(?)に創立する日本挿絵画家協会と戦後23年に岩田専太郎を中心に創立する日本出版美術家連盟の関連性を証明する貴重な写真になるかもしれない。

写真のキャプション(説明文)には 「同時代のさし絵画家、漫画家集う──東京・水交社での古橋中佐招待会(昭和17年7月3日夜)。 (*後列右から) 『のらくろ漫画』の田河水泡 『丹下左膳』の志村立美 “菊池寛もの”の富田千秋 『敵中横断三百里』の梁川剛一 …

粋美挿画展1st Stage Week

昨日は雨の中神保町・東京堂6階ホールで開催されている「粋美挿画展」に行ってきました。雑誌の口絵原画ってこんなに大きく描くのかと、その精密さと大きさに驚かされた。日本出版美術家協会理事長・細川武志さんの機関車や長岡秀星さんのアース・ウィンド&…

9月12日に癌の摘出手術をして10月10日に退院してきましたが、15日に腸閉塞になり緊急再入院。7日間の断食と5日間のお粥で治し手術などの大事に到らず、本日退院してきました。

退院してきたばかりだというのに、明日は神保町・東京堂6Fホールで開催されている「粋美挿画展」に、12時頃に行こうと思っております。 10月22日(月)〜11月18日(日)の4週にわたりの開催され、1週間ごとに企画が変わり今週は「カー&トレイン」 http://ww…

挿絵画家・堂昌一

「粋美挿画」3号特集「挿絵画家・堂昌一」A4、8頁をほぼ書き上げた。執筆といっても、私の場合は、レイアウトしながら書いてしまいます。堂昌一(1926-2011年)は、木枯し紋次郎や潮来の伊太郎の挿絵を描いたことで知られるが、笹沢佐保、松本清張、杉本苑子…

樋口紅陽「ひらかなお伽話」《文祥堂、大正15年)の表紙を描いた画家の○の中に「甫」のこのサインは見覚えがあるが誰のものかは思いだせない。私のパソコンに保存してあるデーターから「甫」の字のつく名前を検索してみると「森白甫」「野田九甫」「小寺鳩甫」が見つかったが、何れも違うような気がする。今回「本の手帳」3号の「落款解読事典」では五十音順で1頁に15人をイラストとともにサインを並べたが、実際にサインを探す時は「甫」の字からではなく、サインの画像から探すことが多いので、本当は1頁に200個くらいのサインが並んで