2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

中一弥の装丁本は、400〜500冊くらいはあるのではないかと推察する。その根拠は、戦時中にも鈴木彦次郎『黎明の旋風』、陣出達郎『夜明富士』などの装丁があるが、装丁を手がけるようになった終戦後から約70年間にわたって描き続けてきている。年間平均して5冊手がけたとしても350冊はある計算になるからだ。

中一弥:画、山手樹一郎『花魁やくざ』(東方社、昭和26年) このような絵を描く為に、モデルを使ってスケッチをしていたらしく、「昭和十七八年でしたかな。浜本浩という作家がずいぶん活躍していて、『サンデー毎日』に小説を書いたとき、打ち合わせ会を新…

挿絵画家・中一弥が装画を担当した装丁本は、キャリアが長い割には意外と少ないように思う。かわじもとたか編『装丁家で探す本』(杉並けやき出版、2007年)で、中一弥の項を検索してみると下記のように26タイトルが記録されていたので引用させてもらおう。(一部表記方法を変えています。)

・陣出達郎『夜明富士』(大道書店、昭和16年) ・鈴木彦次郎『黎明の旋風』(協栄出版、昭和18年) ・山田荘八『呪いの古城』(神田出版、昭和23年) ・村上元三『お吟捕物十八夜 夜叉頭巾』(文藝図書出版社、昭和25年) ・山手樹一郎『鳶のぼんくら松』(…

98歳の現役最年長挿絵画家・中一弥と息子・逢坂剛の親子初のコラボレーションとなった、中一弥:挿絵、逢坂剛『重蔵始末』(講談社、2001年)シリーズ4冊は、一弥にとっては待ちに待った嬉しい共演だったようだ。そんな気持の表れなのか、表紙装画の他に本文中にもそれぞれ5〜6点の挿絵が入っている。単行本のための書き下ろし挿絵なのか、「小説現代」(2004.4〜05.11)に連載された当時のものを流用したもなのかは確認していない。が、『重蔵始末(4)嫁盗み』(講談社2006年)が刊行された時は、昭和4年「本朝野士縁起

中一弥:挿絵、逢坂剛『重蔵始末』(講談社、2001年) 中一弥:挿絵、逢坂剛『重蔵始末』(講談社、2001年) 中一弥:挿絵、逢坂剛『重蔵始末』(講談社、2001年) 中一弥:挿絵、逢坂剛『重蔵始末』(講談社、2001年) 中一弥:挿絵、逢坂剛『重蔵始末』(…

なぜ、「公称」となっているのかというと、中は「本当のところを言うと、僕は、東京にくる前の宝塚時代に新聞に描いていました。昭和4年五月から土師清二さんの弟子の葉多黙太郎が、『神戸新聞』に『平安異香』という連載小説を書きました。その挿絵を描いたのがいちばん最初の仕事なんです。でも葉多黙太郎には悪いですが、やはり直木三十五の方が、有名ですから、『本朝野士縁起』でデビューしたということにしていたわけです。」(前掲『挿絵画家・中一弥』)と、暴露している。

中一弥:画、葉多黙太郎「平安異香」(神戸新聞、昭和4年) これが、中一弥の本当のデビュー作だ。 中一弥:画、直木三十五「本朝野士縁起」(『現代大衆文学全集』続第8巻、平凡社、昭和6年) 中一弥:画、直木三十五「本朝野士縁起」(『現代大衆文学全集…

中一弥の公称デビュー作は「昭和4年の『本朝野士縁起』、名古屋新聞かな。面白い小説でした。」(季刊『谷中根津千駄木』其の90、2008年)とインタビューに答えている。この直木三十五「本朝野士縁起」の挿絵を見つけた。

昭和4年初出時の新聞に掲載されたデータではないが、2年後に刊行された円本全集といわれる『現代大衆文学全集』続第8巻(平凡社、昭和6年)には、新聞に掲載された当時のものとおもわれるたくさんの挿絵が掲載されている。 中一弥:画、直木三十五「本朝野士…

池波正太郎の絵と中一弥

「池波さんは、若いころは鏑木清方の弟子になりたかったんだよ、とよく言っていました。それくらいの人ですから、自分でも素人絵を描いていました。なかなか巧い絵を描いていました。池波さんが憧れた鏑木清方は、若いころ挿絵も描いていたんです。それで、…

中 一弥(なか かずや)一九一一年、大阪府北河内郡大和田村(現・門真市)生まれ。挿絵画家。一九二七年、十六歳のときに小田富弥に画才を認められ、弟子となる。一九二九年、直木三十五『本朝野士縁起』で挿絵デビュー。以後、七十年以上にわたって、『銭形平次捕物控』『夢介千両みやげ』『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』をはじめとする、数々の時代小説の名作に挿絵を描きつづける現役最長老の絵師。 吉川英治、野村胡堂、山本周五郎、山手樹一郎、山田風太郎、村上元三、海音寺潮五郎、司馬遼太郎、池波正太郎、有吉佐和子、

中一弥には三人の自慢の息子たちがいる。『挿絵画家・中一弥』の中に何度もフルネームで登場する逢坂剛は、「僕は、逢坂剛と、一番長いこと暮らしました。彼が博報堂に入社して、昭和五十年の秋に結婚するまで、その間、ずっと一緒に暮らしていました。その…

東京では、殆どがペットボトルか缶入りになってしまい、ビン・ボトルのコカコーラはなかなか見られなくなってしまった。そんなコカコーラの瓶をなぜか急に描きたくなって探していた。1本は早稲田の酒屋さんの倉庫に空き瓶があったので訪ねてみたら、業務用で販売しているという。

更にもう1本は、次男の彼女が見つけて購入してきてくれた。更に、巻き爪などを治療してくれるメディカル・ケア・フットサロン「元町ハンナ」のDr,Michikoが、横浜元町にコーラの自販機があるから案内します、というので、案内してもらったら、「あった、あっ…

元町ハンナロゴマークを作成。

メディカルフットケアサロン「元町ハンナ」とは、博士号を持つメディカル・フスフレーガーが丁寧に対応するオーダーメイド型フットケア専門サロンです。巻き爪、魚の目など日常生活の足トラブルで困っている方の足を、健康に美しく整え、楽しい歩行と自由な…

舟崎克彦・文、金斗鉉・絵『かぐや姫』(『日本名作おはなし絵本』小学館、2009年8月、1000円+税)と、星恵美子『モノクロームな女』(インカ帝国、2009年8月)という、子供向けの本と大人向けの本が送られてきた。

舟崎克彦・文、金斗鉉・絵『かぐや姫』(『日本名作おはなし絵本』小学館、2009年8月、1000円+税) 星恵美子『モノクロームな女』(インカ帝国、2009年8月)いただいていながら生意気いって申し訳ありませんが、一読者としての感想を言わせていただければ、…