2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

■吉祥寺・百年で4月24日(金)夜8時〜10時開催される講演会の予約受付が始まりました。百年「と」装丁探索 〜佐野繁次郎の装丁をめぐって〜  話し手・大貫伸樹

◆日時………4月24日(金)20:00〜22:00(開場19:30) ◆場所………〒180-0004東京都武蔵野市吉祥寺本町2-2-10村田ビル2F(東急の南向かい) ◆入場料……1000円(定員60名) ◆受付………3月28日(土)11時より予約開始。店頭、電話、メール(百年HPのお問い合わせよりお…

「本の手帳」読者から便りが届く

「本の手帳」購読者から『槿(むくげ)の画家 柳瀬正夢』(武蔵野美術大学美術資料館、2008年10月)展の図録が送られてきた。 『槿(むくげ)の画家 柳瀬正夢』(武蔵野美術大学美術資料館、2008年10月 便りも、届くようになって、いっぱしの出版者のような…

へびに卵を食べられてしまったからすの夫婦が、知恵者のフクロウに相談し、へびを自滅させる話だ。翻訳本で、バーバラ・クーニー:画、じんぐう てるお訳、オルダス・ハクスリー:文『からすのカーさんへびたいじ』(冨山房、1988年)。

バーバラ・クーニー:画、じんぐう てるお訳、オルダス・ハクスリー:文『からすのカーさんへびたいじ』(冨山房、1988年) 日本では、どちらかというとカラスは悪者的な存在の場合が多いが、『からすのカーさんへびたいじ』では逆に被害者になっているのが…

昔から、カラスと人との関係は深く、たくさんの話が残されているのではないかと思っていたが、探してみるとカラスが主人公になった話は以外と少なく、なかなか見つからない。たじま ゆきひこ・作「からすじぞう」(『こどものとも』第399号、福音館、1989年)は主人公ではないが、からすがテーマになっている数少ない本の1冊だ。

たじま ゆきひこ・作「からすじぞう」(『こどものとも』第399号、福音館、1989年) たじま ゆきひこ・作「からすじぞう」(『こどものとも』第399号、福音館、1989年) 善かれと思ってしたことが、からすにとってはとんでもないことになってしまい、与作の…

私のすきな形態にデフォルメされたカラスの形態でもある、安野光雅『きりがみ江戸いろは』(新泉社、1978年)のカラスはこれです。「ほねをりぞんのくたびれもうけ」のカルタだが、安野さん、申し訳ありません。ちょっと理解できませんでした。案山子は一生懸命カラスを追い払ったたが、動かないことを知られて、稲穂をみんな食べられてしまった、ということなのか。疲労だけが残った案山子と、案山子をバカにしているカラスと、まんまと稲穂を御馳走になってしまった得意顔のカラスでしょうかね。

安野光雅『きりがみ江戸いろは』(新泉社、1978年)

カラスの絵をたくさん集めて並べたら、絵として描かれたカラスの表現の変遷が見られないものかと、ふと思った。2〜3年かけて、明治、大正、昭和の表現されたカラスを集めまくれば何かが見えてくるのではないかと、おもった。挿絵は個人の表現の問題なので、必ずしも時代の特徴などないのでは? というような御意見もありましょう。期待外れで、写実のようなモノしか集まらないかも知れませんが、走り出してしまったので、とりあえずやってみることにしました。

渡辺審也:画「狐と鴉」(『修養全集』第4巻、大日本雄弁会講談社、昭和4年) うぬぼれの強いカラスが、狐におだてられ、「カア」と、美しい声を披露する。すると、くわえていたチーズは、ぽとりと落ちて、狐にとられてしまう、という話。カラスがチーズをく…

「丸裸で……」にも登場したように、私も蔵書票に何度かカラスを取り入れて描いた。カラスへの興味は、高橋忠弥:装丁、深沢七郎『楢山節考』(中央公論社、昭和32年)の表紙絵に魅せられたのがきっかけだ。カラスというのは、昔から日本人の生活に深く結びついていて、絵としてもたくさん残されているのではないだろうか? というのが興味の発端でした。高橋忠弥の装丁本への興味も、『楢山節考』がきっかけになり、今では100冊近く所有しているのではないかと思う(数えたことがないので解らないが)。

高橋忠弥:装丁、深沢七郎『楢山節考』(中央公論社、昭和32年)表紙 カラスは、私の田舎では、人が死ぬと集まってくる不吉な鳥とされ、ひなを育てたり、カラスをからかったりしてはいけないと言い聞かされていた。実際、私が小学生の時に、近所の床屋さんが…

吉祥寺・百年で4月24日(金)夜8時〜開催される講演会の予約受付が始まりますので、百年のHPを転載します。

百年「と」装丁探索 〜佐野繁次郎の装丁をめぐって〜 話し手・大貫伸樹 07年8月に開催し好評だった「装丁探索」が帰ってきた! 今度は古本好きが避けては通れぬ佐野繁次郎についてたっぷりと話します。 近年、ますます評価が高まっている佐野の装丁本を実際…

物まねタレントが演じていると、後ろから本物の歌手が登場する場面を思い浮かべながら、このブログを書いています。安野光雅さまから、「おいらのまねをしやがって……(^^)」なんて書き込みがあったら、ドッキリですよね。

ⓒshinju oonuki 2009 これは銅版画です。 ⓒshinju oonuki 2009「母の日に…」 この頃から、どんどん細かい部分を彫る事に興味が動いてしまい、そのうちに面倒になり、約60点を半年くらいで創り「化粧」あたりで、版画制作を止めてしまいました。嵐のようにの…

約束通り、「アンミツ体」練習成果の蔵書票をアップします。

左から「鵜の目鷹の目」「からくり」「二兎追う者」。 しばらくは、この書体にはまってしまい、蔵書票の文字はとことんこの書体を使っていました。 2006年というサインがあるので、3年ほど前につくったものです。 ⓒshinju oonuki 2009 どの作品も、アンミツ…

安野光雅文字(私は勝手に命名して「安光体」と呼んでいます)ともいえるこの、ステンシル風の文字を気にいって、練習してまねしたものです。次回、その練習の結果をアップします。

最終頁が面白い。「いくとき ふねでいって かえるのとき くるまでかえる これはこれは きわめて けうのはなしじゃないの」と、しめくくっている。自分で書いているんだから、帰りも船で帰ってきたらいいじゃないの、といいたくなるが、そうしないところが、…

安野光雅『きりがみ昔咄─桃太郎・舌切雀・花咲爺─』(岩崎美術社、1980年)は、内容(文)はあっさりしているが、絵は素晴らしい。そんな興味で購入したので、だいぶ昔に買った本だが眺めただけで読んだことがなかった。改めて読んでみると、仲間由紀恵だった?かが、ベッドの脇で、「浦島太郎は亀を助けておじいさんになりました」と、うんと省略して本を読んであげるコマーシャルがあるが、それを思い起こした。でもこの本は、面白くて、絵がきれいなので紹介します。

桃を拾う場面では「おばあさんは こちらへこい こちらへこい としたじゃないの ももはしょくぶつだから きこえないよ」と、ストーリーに批判的だ。第三番目の人が雲の上から、語り部が語る桃太郎の噺を聞きながら批判を加えているような構成が面白い。metala…

申し込みの方法は4月に公表します。

吉祥寺の古書店「百年」での講演会日時が決まりました。

◆テーマ……「本の手帳」6号掲載の「佐野繁次郎の装丁と横光利一『機械』『時計』の装丁」 ◆日 時……2009年4月24日(金)20:00〜22:00(19:30開場) ◆入場料……1000円(定員60名) ◆場 所……JR吉祥寺北口、みずほ銀行と東急南側間のしんみち通り入って3軒目・2…

「本の手帳」のファンからハガキがとどいた。

桃太郎の本、太田大八:絵、かつをきんや:文『ももたろう』(講談社、昭和56年)と湯村輝彦:絵、川崎洋:文『ももたろう』(ミキハウス、1987年)を入手。

太田大八:絵、かつをきんや:文『ももたろう』(講談社、昭和56年)表紙 太田大八:絵、かつをきんや:文『ももたろう』(講談社、昭和56年) この本では、「さとの 村から、おにの はなしが つたわってきた。」と、さりげなく、村から伝わってきた話に、も…

先週の日曜日、所沢の古書市で、この1頁が欲しくて『明治大正文学全集 28巻 鈴木三重吉』(春陽堂、昭和2年10月)を購入してしまった。その頁とは、鈴木三重吉の自筆原稿が掲載されている頁だ。

鈴木三重吉の手書き原稿「活版にまわした『古事記物語』の原稿の一部」(『明治大正文学全集 28巻 鈴木三重吉』春陽堂、昭和2年10月)より どこが、そんなに面白いのかって? この原稿を見ていると、執筆者の気質などが分ってくるから面白い。この原稿、すご…

ももたろうはなぜ、鬼の征伐に出かけたのだろうか。鬼の征伐にこそ、発行者の『桃太郎』刊行の意図が隠されているのではないだろうか。

おばあさんが桃を拾ってくる話は、子どもを欲しいと願う老夫婦が、神様のおぼしめしで子宝を授かる、という話で完結しているように思える。 その後、桃太郎は、ぐうたらな生活を送る話になったり、完全無欠な人格の子どもになったりと、さまざまな話が伝えら…

川内彩友美『決定版まんが日本むかしばなし101』(講談社、1997年)をネットで購入。これには最初に「ももたろう」が掲載されていた。改訂で桃太郎がくわわったから101になったわけではないだろうが、タイトルが「101」になっていた。

表紙の左上にも桃太郎が船に乗って、鬼ヶ島に向かう絵が記載されている。どうも昨日のブログ『決定版まんが日本むかしばなし100』に書いたように、意図的に「ももたろう」を外したのではなかったようです。でも、詮索させていただいたおかげで、すこし深い話…

ぼけの花を描いている所を、誰かに観察されている、というのがテーマです。

春のうららかな感じが出ないものかと、欲張っています。 昨年10月から、毎週1回、市の水彩画教室に通い始めました。少しずつ水彩絵の具に慣れてきたように感じています。色の選択やぼかし具合、にじみ具合、乾かし具合などなど、水彩画は結構奥が深い。 最…

8日所沢の古書市で、川内彩友美編『決定版まんが日本昔ばなし100 ①』(講談社、昭和59年)を350円で購入した。あまりに安いのにも驚いたが、「ももたろう」が入っていなかったのには、さらに大きなショックを受けた。もっとも、後で調べたらこの本は、全3巻だったようなので他の巻に入っているかも知れないのだが、まだそこまでは調べがついていない。

川内彩友美編『決定版まんが日本昔ばなし100 ①』(講談社、昭和59年) 「この桃太郎外しには何か理由があるはずだ」と、勝手に大げさに考えてしまい、色々と詮索を始めた。そんな詮索をゆるすくらいに、「ももたろう」は、わけありの話なのだ。 そんな思いで…

木瓜(ボケ)の花が咲いた!

自宅のマンションが、外装のリペアをやっているので、ベランダにおいてあった木瓜(ボケ)の鉢を食卓の上の持ってきた。暖かいせいか、部屋の中は、ひと足早い春がやってきて、部屋中たくさんの花が咲き乱れています。「いっちょ花でも描いてみるか」という…

今日は、九州在住の執筆者、田坂さんと坂口さんに、『本の手帳』を送った。お礼の手紙を入れるべきなのだろうが、お二人の寛容さに甘えてメールで済ませてしまった。申し訳ありません。

同じ新宿区に住んでいるが、まだお会いしたことのない執筆者・中村さんにも送った。 昨日のブログを読んで注文を頂いた、豊中市の西川さんにも送った。このような仕事は不慣れなので、本当につかれる。 午前中は、本業の方の打ち合わせがあり、昼食後から、…

『本の手帳』6号が本日発売になりました。

パソコンのおかげで、一人でも出版が出来るようになり、ありがたいことです。 一人でこつこつと、企画、原稿の依頼などの編集作業、レイアウトや校正入力をやり、先週印刷に入れたデータが、本日やっと本になり、納品されました。これで、やっと出版のスター…

普段着のままでの鬼退治は珍しい?

山奥で生活する、貧しい老夫婦が、一体どうやって、鎧刀や上下を用意したのだろうか、と幼い頃からの疑問だった。が、やっぱり、そんな疑問を持っていた画家がいたんだ、と、つい嬉しくなってしまった。梶山俊夫・絵、松谷みよ子・文「ももたろう」(『もも…

桃太郎の年齢が、とうとう7歳とあるのを見つけた。北川千代『桃太郎さんの話』(東京日日新聞、1928年)によると

「『おぢいさんやおばあさんは、今頃何をしてゐるだろうなあ』そんなことを考えると、まだ七つにしかならない桃太郎さんは、少しお家が恋しくなって来ました。それで黍団子のふくろを手にもったまま、自分の歩いて来た路の方を、せのびをして眺めてみたので…