2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

杉浦非水の装丁『あやめ草』

あやめ會『あやめ草』(如山堂書店、明治39年)は、和英並記の詩集だが、右開きで日本語の詩が、左開きで英語の詩が掲載されている。表裏の表紙の両方から読むようになっている。表紙には「朝武」を改め、新たに名乗り始めた「非水」のモノグラムが記されて…

杉浦非水装丁『暁鐘』

手元にある『暁鐘』は東京堂発行、明治45年2月7日12版だ。この本の初版は明治34年5月20日に発行されている。ネットで販売されているこの本のデーターを見ると明治34年に発行された『暁鐘』は有千閣/佐養書店から発行。明治37年に発行された『暁鐘』も有千閣/…

斬新!非水「みだれ髪歌かるた」2

明星(明治37年正月号)に掲載された、非水画「みだれ髪歌かるた」のもう1点を見てみよう。 なにとなく君に待たるゝこゝちしていでし花野の夕月夜かな という歌に絵をつけたものである。構図といい、色使いといい、モチーフの選択といい、 かなり欧風なイメ…

三岸節子と装丁展

2006年10月14日(土)〜11月19日(日)於:一宮市三岸節子記念美術館「三岸節子と装丁展─文学者達との交流」 のチラシと入場券が送られてきた。 実は、11月3日(祝・金)14時〜「近代装丁の歩み─明治から昭和初期まで」という講演を私がやる事になり、 そろ…

杉浦朝武(非水)「明星M37-1乱れ髪歌がるた

「情熱の人 与謝野晶子展」の図録には、「乱れ髪歌がるた」の写真が24点掲載されていたが、全部で何枚作られたのかわからない。どこかに完全に揃ったカルタがあるのだろうか。見てみたい。 『明星』(明治37年正月号)に掲載されたのは、多色刷り石版画で四…

初山滋装丁・挿絵『アラビアンナイト』が300円

新宿サブナードで、300円均一の古書市が15〜16日に行われた。通勤途中にちょっとのつもりで立ち寄り、本のちょっととおもいながら、7冊も購入してしまった。その内の1冊については、もう一つのブログhttp://blogs.yahoo.co.jp/higetotyonmageに書いた。2冊目…

杉浦非水装丁「国学院雑誌」

杉浦非水装丁「国学院雑誌」(国学院大学、大正15年)をネットで購入した。 「国学院雑誌」杉浦非水表紙絵、となっていたので、てっきり「杉浦非水表紙絵」の特集号かと思って、注文したのだが、な〜んと、装丁をしただけの話だった。 それにしても、國學院…

みだれ髪カルタ

またまた新宿サブナードの古書市で通勤途中に「みだれ髪カルタ」が掲載されている『情熱の人 与謝野晶子展』(池袋三越、昭和52年)の図録を購入してしまった。いままで「みだれ髪カルタ」については、「明星」の口絵として1904(明治37)年に掲載された4点…

杉浦非水図録を探してます

「商業デザインの先駆者 杉浦非水展」の図録購入、といっても、血眼になって探している日比谷図書館での展覧会の図録がみつかったわけではない。昭和42年、日本橋三越で開催されたときの図録だ。表紙に使われている絵は、大正4年の三越のポスター。巻末にあ…

杉浦非水装丁「中学世界」

杉浦非水が装丁した本を集めている。特に明治時代に装丁したものを。なぜか? って。非水は明治45(1912)年に、「装幀、雑誌の表紙図案展」を日比谷図書館で開催している。これは日本で開催された初めての装丁展といわれている。しかし、その詳細はあまり知…

阪井紅兒装丁「続百字文選」

伊藤銀月『続百字文選』(如山堂、明治37年)は高円寺の古書市で見つけた本だが、特に購入したい本ではなかった。それでも明治の本ダシ、表紙の絵とサインが気になり500円なのでとにかく購入しておいた。帰宅して、サインが誰のものか調べたがさっぱりわから…