2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

明日開催される実践女子短期大学講演会のためにと、英領カナダ出身の製本師W.F.Patersonパターソンによって日本で最初に作られた洋式製本の書物『西洋開化史』(印書局、明治8年)を購入した。小口マーブルが施された『西洋開化史』は一見シックではあるが、瀟洒でおしゃれな見事な造本で、その後これを超える市販本はないのではないかと思われるため息物だ。

『西洋開化史』(印書局、明治8年) 小口マーブルが施された『西洋開化史』(印書局、明治8年) パターソンは、明治6年に印書局に雇われ、製本術やマーブル術、罫引き術を指導し、多くの製本術を指導した。 「そのころ彼の手に成ったと思われる『泰西政学』…

●●創作版画運動と新版画運動の衝突が生んだ竹久夢二、木下杢太郎、恩地孝四郎の装丁

近代版画を考えるとき、大きな二つの潮流があることに気がつく。創作版画を標榜する人達が意識の中から外すことが出来なかった浮世絵系の版画製作者達が存在し、彼らが形成した版画運動が「新版画運動」である。新版画運動は版元・渡辺庄三郎によって提唱さ…

●●村山知義装丁、池谷信三郎『望郷』(新潮社、大正14年)の装丁

池谷信三郎「望郷」は佐々木茂索が文芸部長を務める時事新報社が1924年に公募し、菊池寛、久米正雄、里見紝が選者となった懸賞小説であり、翌年の元旦から連載が始まった。池谷は、独逸留学から帰国して最初の連載新聞小説「望郷」の挿絵を、帝国大学の1年…

実践女子短期大学/日本語コミュニケーション学科 学科講演会「美術運動と手をつないだ美しい本」 【一般公開】【入場無料】*どなたでも自由に受講できます。

●日本語コミュニケーション学科 学科講演会 「美術運動と手をつないだ美しい本」 ●日時:2011年12月1日(木)2限(10:45〜12:15) ●場所:JR日野駅下車、 [徒歩の場合] 約12分 [バスの場合] 5番のりば 「高幡不動駅行」(京王バス/日03系統/実践女子…

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スペースはけして広くはないが、田口洋子ルリュール展ではあるが坂井えり製本教室のメンバー総出演とあって充実感に溢れていた。製本技術の確かさにくわえて斬新なデザインや奇抜な製本素材の種類の豊富さなど美しくも楽しさがたっぷり詰め込まれたすてきな展示会だった。

左の2点が、私の漆表紙の本。

新潟アンテナショップでちょっと一杯!

展覧会の片づけが終わり、このまま帰るのも!と、同潤会の直ぐ後ろにある新潟県のアンテナショップ食楽園によって、新潟の酒を一杯引っかけた。 海鮮丼やゲンザ唐揚、栃尾揚など海の幸を食べてみたが、日本酒は勿論のこと、つまみ類もみんな美味で価格も表参…

表参道・同潤会で開催された田口洋子さんの「ルリュール展」最終日に行ってきた。原宿駅をおりるとすぐ駅前からものすごい人の波で圧倒される。

挿絵画家・堂昌一宅を訪問した時に頂いた自費出版のクロッキー集『QROQUIS SHOICHI DO』(2010年、A4版、スミ1色刷り、20頁、定価1,800円)を観ると、堂が描く女性の妖艶さを作り出す秘密が分かるような気がする。普段から絶えずクロッキーを心がけていたという。そんな堂のクロッキーは私がイメージするクロッキーよりは、かなり克明に描き込んでいる。

堂昌一『QROQUIS SHOICHI DO』(2010年、A4版、スミ1色刷り、20頁、定価1,800円+送料80円) 自費出版のため堂前家以外で入手するのは難しいと思う。が、かといって、画集に記載されている住所や電話をアップするのは何かと問題があり難しいので、私のメル…

「粋美挿画」2号好評発売中!

A4版38頁、定価=1000円+税50円(送料80円) ご購読のお申し込みは上記事務局へ。 「粋美挿画」2号 4-5p 岩田専太郎が夢二の作品やビアズレーの作品にヒントを探っていたのがよく分かる 「粋美挿画」2号 6-7p このモダンさと妖艶な女性がが人気の秘密。で…

日本出版美術家連盟、会員募集中! 年会費18,000円

日本出版美術家連盟は、1948(昭和23)年4月、岩田専太郎、梁川剛一、田河水泡、鴨下晁湖、細木原青起を含む15名の挿絵画家達が発起人となり創設され、現在、浜野彰親を会長とする出版美術界に於ける長い歴史と伝統をもつプロ・イラストレーターの団体です。…

堂昌一「下が川だった頃」(「文芸随筆」NO.43、2006年)より転載。

昭和二十一〜二十二年、焼け野原の銀座。焼け残った、松屋デパートと、四丁目の服部時計店(今の劇場)が進駐軍のPXに、宝塚劇場が「アニーパイル劇場」に、デパート松坂屋の地下が五百人の日本人ダンサーが侍る進駐軍専用のダンスホール、その他キャバレー…

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挿絵画家・堂昌一の略歴を作っていたが、若い頃のデータがなかなか見つからずにいた。が、「粋美挿画展」への出品作品を借りるために堂前家を訪問し略歴作りの困難さ明かすと「文芸随筆」に連載執筆された記事を出してくれた。今回は堂昌一「戦中から流れて」(「文芸随筆」NO.44 、2007年)を紹介しよう。

昭和十七年、中国での四年半続けてきた戦争初戦の勝利を発表し続けた、大東亜戦争大本営。国民は喜んでいましたが物資の不足は深刻で、絵の具は配給制になり、何れかの絵画団体に属していませんと配給がありません。“聖戦美術展”“大東亜戦争美術展”等の公募…

堂昌一「ふるさと」(「文芸随筆」日本文芸クラブ、2008年)

私は東京の川向こう向島の生まれです。 私が7才の時「アル中」の父を亡くしました。極端に親戚の少ない私と母は忽ち路頭に迷うところでしたが、姉の嫁ぎ先に引き取られて厄介になることになりました。 堂昌一:画、「ふるさと」(「文芸随筆」2008年)お姉…

堂昌一「あね・おとうと」(つづき)

女性の服装もモンペが影をひそめ、和服が多くなり、洋服もロング・スカートや、いかり肩のフレアコートが流行してきました。 街でからんできたチンピラを、まだ若く美しかった姉が威勢の良いたんかで、追っ払ったのも今では懐かしい思い出です。 店によく来…

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日本出版美術家連盟は、1948(昭和23)年4月、岩田専太郎、梁川剛一、田河水泡、鴨下晁湖、細木原青起を含む15名の挿絵画家達が発起人となり創設された出版美術界に於ける長い歴史と伝統あるプロ・イラストレーターの団体です。出版に関わるイラスト、挿絵、…

神保町・東京堂書店6階で11月3日まで開催されている「粋美挿画展」のポスターがA0版の大型に変わっていた。日本出版美術家連盟会員の星恵美子先生が個人的に特別に発注して貼り替えてくれたらしい。

東京堂書店店頭に貼られた大型のポスター、人物を配してみるとその大きさがわかる 大型ポスターの効果があったのか、会場に行って見るとお客さんがいっぱい 星先生の粋な計らいに刺激されたわけではないが、「ビニールの袋に入れたままテーブルに置いてくだ…