2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

櫻井書店本『日本児童文学選』

「こんな本を見つけてしまった、いいだろう!」と自慢したくなるような、そして頬擦りしたくなうようなお気に入りの装丁だ。そんな「頬擦り本」とは児童文学者協会編『日本児童文学選』年刊第一集(櫻井書店、昭和23年11月重版、初版は23年11月)、A5変型判…

『徳田秋声全集』が菊池寛賞受賞。

足掛け8年間にわたって私が装丁を手がけてきた『徳田秋声全集』42巻・別巻1(八木書店、写真は第1回配本の18冊)が第54回菊池寛賞を受賞した。特に装丁に与えれた賞ではないが、執筆に対しての賞というわけでもなく、全集の出版企画・編集など総合的に評価さ…

佐藤春夫『みだれ髪を読む』を読む

『みだれ髪』への傾倒は、その後もとどまるところを知らず、今度は佐藤春夫『みだれ髪を読む』(講談社、昭和36年7月2刷)装丁:熊谷守一を読みはじめた。 「『みだれ髪』の成立と上梓経過」を読んでみたが、私が期待しているような話は書かれていなかった。…

与謝野晶子とミュシャ

昨日、笠間書院、八木書店と打ち合わせをすませ、駿河台下の横断歩道を渡っていると、向かいにある三茶書房の入り口にアルフォンヌ・ミュシャの挿絵を使った全判のポスターが飾ってあるではないか。そのタイトルが「与謝野晶とミュシャ」。あまりも衝撃的な…

青木茂さん「HK」解りましたよ〜

10月4日に青木茂『書痴、戦時下の美術書を読む』を紹介したときに、宿題となっていた「HK」のサインについて、この連休中にやっと解りました。 オレの出番とばかりに勇んで飛び出したが解読できなかったサインを、 「近代挿絵家のサイン解読第一人者」を自…

櫻井書店本、鈴木朱雀装丁、北島春石『ひとすぢ路』

鈴木朱雀(すずき すじゃく1891-1972年、1920年第2回帝展に「吟鳥」入選。)装丁、北島春石『ひとすぢ路』(春江堂、1923[大正12]年)が届いた。イタミ本となっていたので覚悟していたが、表紙1のヒラの部分も函も、とにかく及第点だ。 ネット通販はほとん…

明治42年の杉浦非水の挿絵「木太刀」

表紙の装画が気に入って購入した「木太刀」第7巻第6号(木太刀社、明治42年6月)だが、このアールヌーボー風の表紙を描いた画家名は結局は分らない。その代わりというわけではないが、本文中に杉浦非水に描いた挿絵が2点あった。 「みだれ髪歌かるた」(明治…

青木茂『書痴、戦時下の美術書を読む』を読む

最近、ちょっとした文章を雑誌などに書く機会が増え、その謝礼として図書カードが送られてくることが多くなった。このカードのお蔭で、気兼ねなく新刊本を買う事が出来るようになったのが嬉しい。今読んでいるのは青木茂『書痴、戦時下の美術書を読む』(平…