2011-12-01から1ヶ月間の記事一覧
春仙は、漱石「虞美人草」、二葉亭四迷「平凡」、漱石「坑夫」の装画(題字飾り)を手がけた後に、島崎藤村「春」135回(東京朝日新聞、明治41年4月)で初めて挿絵を担当する。洋画風の構図やスケッチに交えて時には和風のタッチをもとり入れ大変な評判を呼…
東京朝日新聞に掲載された夏目漱石「虞美人草」題字飾りカット(明治40年6月〜10月) 東京朝日新聞に掲載された夏目漱石「虞美人草」題字飾りカット(東京・大阪朝日新聞、明治40年) 東京朝日新聞に掲載された夏目漱石「虞美人草」題字飾りカット(東京・大…
名取春仙:装丁・挿画、渋川玄耳『薮野椋十世界見物』(有楽社、明治45年8版) 名取春仙:画「ナイアガラ瀑」(渋川玄耳『薮野椋十世界見物』有楽社、明治45年8版) 名取春仙:画「夫婦は二世」(渋川玄耳『薮野椋十世界見物』有楽社、明治45年8版) 名取春…
ましていわんや、電子書籍で売れているのは、電子コミックで、中でも成人用コミックといわれるいわゆるビニ本とかエロ本といわれるたぐいのものだという。活字中心の書籍をPDF等で電子書籍にしてもほとんど売れないという。 「電子書籍元年」といわれた2011…
著者自装:大貫伸樹『製本探索』(印刷学会出版部、2005年)
おしゃれなデザインのトロフィーに、ちょっと元気を頂きました。
司修:装丁、武田泰淳『富士』(中央公論、1971年) 著者自装、司修『紅水仙』(講談社、1987年) 著者自装、司修『本の魔法』(白水社、2011年) 画家であり、装丁家であり、作家でもある司は装丁家になりたいと思っていた私の目標になった。銅版画や水彩画…
(筒状の封筒の名称について、某大学のA准教授から「書袋(しょたい)」という、との電話でのご指示を頂きました)。 そうだと仮定すると、国産ボール紙が量産されるようになった明治20年代頃からカバーが付いていた可能性も考えられる。 一陽斎豊国・画、柳…
落合直文・内海弘蔵『国文学史教科書』(明治書院、明治36年)上は、教科書のジャケット、いろいろな内容を詰め込んでおり、オビの役目なども果たしている。下は教科書なのに豪華な装丁用クロス装上製本の表紙 磯村大次郎『実用刺繍術』(博文館、明治40年3…
・福沢諭吉『学問のすすめ』(明治5年) ・中邨正直『西国立志編(原名自助論)』(駿河静岡 木平謙一郎蔵版、明治5年) ・内田正雄『官版輿地誌略』(明治7年) 『学問のすすめ』は、1872年(明治5年2月)初編出版。以降、1876年(明治9年11月25日)17編出…
こんな本を買って喜んでいる気持を分かる人は、殆どいないんだろうな、なんて思いながらも、誰かに聞いてもらいたくて仕方がない。この1冊のわくわく感動は1週刊は醒めない。 中邨正直『西国立志編(原名自助論)』(駿河静岡 木平謙一郎蔵版、明治4年?) …
小野寺正敬とは「江川太郎左衛門の門にあって砲術及び練兵の法を学び、歩兵指図役となり、明治維新の際鳥羽伏見や会津若松で官軍と戦った。後清水篤守の近侍に任ぜられ、明治三年五月篤守の欧米遊学に従って米国に渡り、ボストンに止まってウエストニュトン…
「愈々其事に當らんと欲するも、未だ抄造に用ゆべき原料の何物なりやさへ辨ぜざることなれば、原料の本質を知らんと欲し、舶来板紙の斷片を集め之を水に浸して融解せしめ、或いは之を煮沸して分析解剖し、一意原料の發見に心を注ぎたり。偶融液中我邦の麥桿…
……その時、中村正直から製本を洋式装釘(*そうてい)とするように依頼されたが、その頃我が国には洋式装釘の方法を知るものもなく、第一その表紙に使用する板紙は、舶来品が僅かに市場に存するばかりで、その抄造の方法に至っては皆目見当もつかない有様であ…
厚表紙とか堅表紙と呼ばれるボール紙を使う西洋式の製本には、本製本(糸縢り綴付け本)や上製本、そして、南京綴などの「くるみ製本」呼ばれる簡易上製本等がある。明治初期に輸入されたこれらの西洋式製本には、板紙は必要不可欠な資材であったが、まだ国…
サミュエル・スマイルズ『自助論』を訳した中村敬太郎(正直)訳、木平謙一郎板『西国立志編』の初版は十三篇十一冊、半紙判、和紙和綴、木版印刷、黄表紙で明治四年に七月に刊行した。(*木平謙一郎板『西国立志編』十三篇十一冊のうちの1冊をネットで購入…
「面付け」の説明図
一陽斎豊国・画、柳亭種員・作『白縫譚』(藤岡屋、嘉永庚戌) しかし、和本で出版された初版は十一冊十三編であったが、この大量の情報を洋本にすることで一冊に搭載してしまった『改正西国立志編』のように、総ページ数が八四二頁にも及ぶとなると、制作工…
「洋本化」とは?楮や三椏などを原料にした手漉きの和紙に代り、パルプなどを原料にした機械漉きの洋紙を使い、印刷は木活字が鋳造活字に、木版が活版に、手摺りから機械刷りに代わり、二頁〔一丁)「片面刷り」から、あたかも十六階建て建造物の展開図のよ…