2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

佐野繁次郎の装丁の傾向

佐野の装丁は今でもかなり人気があるようで、林哲夫さんや西村義孝さんの他にも、2003年に「SANO100 佐野繁次郎とその装丁展」(恵比寿「ユトレヒト・ホンデルト」)を開催したメンバーのかわばたさんや葉田さんの他、小さな図録にエッセーを寄せている市川…

創元社版『機械』の異装本?

●創元社版『機械』(昭和10年3月15日、初版)異装本? を入手 昨日までは林哲夫さんのHP『佐野繁次郎の装幀』に掲載されている創元社版『機械』再版の話をしてきましたが、今日私の手元に届いた創元社版『機械』初版と同じ装丁なので驚いた。 つまり、こうい…

横光利一『機械』を装丁した頃の佐野繁次郎の装丁本

横光利一『機械』(白水社、昭和6年初版)を装丁したころから、 横光利一『機械』(創元社、昭和10年初版)を装丁したころの佐野は、他にどんな装丁をしていたのか? そう思って本棚から当時の佐野装丁本を取り出してみた。 写真は、 ・『地獄の季節』(小…

創元社版、横光利一『機械』初版のタイトル文字について

●佐野繁次郎装丁「美術手帳」佐野繁次郎装丁本コレクターを自負し、「本の手帳」2号で「装丁本蒐集の醍醐味─辻静雄著作の佐野繁次郎装幀本」を執筆してくれた西村義孝さんや、 やはり佐野繁次郎本にはめっぽう強く、ホームページ「佐野繁次郎の装幀」 http:/…

文芸作品とともに進化する装丁 その1

──『機械』の装丁から『時計』の装丁まで──先週、高円寺古書市で、横光利一『機械』(白水社、昭和6年4月10日発行、初版)を500円で購入した。函付きでこの価格は、かなりの掘り出し物ではないかと思って喜んでいる。 帰宅してから、もう1冊の横光利一『機…

久しぶりにブラジャケ

●ブラジャケって知ってる? こんなタイトルで、2005年10月頃にブログで紹介したことがあるが、久しぶりにゲットしたブラジャケを掲載します。数日前に膣背の話をしたからといって、また下ネタだと思って妄想を膨らましている人がいるのではないでしょうか? …

谷根千で営業活動

10日の夜に、ネットサーフィンをしていて千駄木「往来堂書店」に出会い、「棚は、管理するのではなく、編集する」という言葉に魅せられ、「本の手帳」2号をぜひとも置いていただきたいと思い、メールを送った。 こんな本屋さんに置いてもらえたら執筆してく…

桜井書店本 その後1

「本の手帳」2号に桜井書店本の装丁の話を書いたばかりだというのに、昨日、高円寺の古書市で見事な桜井書店本を見つけてしまった。 ・鈴木朱雀装、田中茂穂『魚の眼』(昭和17年9月初版)がその本だ。 購入するにあたっては多少の躊躇があった。それは、も…

恩地孝四郎装丁『涙』他

東京古書会館の向かいにある八木書店で仕事の打ち合わせをした後、そのまま帰社するわけがない。帰ろうとは思っているのだが足が勝手に古書会館の中に向かってしまう。今日の収穫は、恩地孝四郎装丁、『曽我廼家五郎全集第二巻 涙他七篇』(アルス、昭和5年…

恩地孝四郎装丁『図解写真術初歩』昭和8年刊

この年代の写真の技術書は、殆どが恩地が恩地が装丁をやっているのではないかと思われるほどに、どの装丁を見てもよく似たデザインのものが多い。 しかし、そのほとんどに署名が記されておらず、誰がデザインしたのかが分らないのが悔しい。 この吉川速男『…

ブックデザイナーが発行する本の雑誌

●ブックデザイナー、意地と執念の装丁 今回の表紙のようなオブジェを使った装丁は、本業の装丁の仕事では全く使用されたことがなく、ほとんどが自費出版の『紙魚の手帳』などに使われただけだ。田中栞さんの『古本屋の女房』のときも、オブジェを使った装丁…

製本用語「膣背」「男根背?」を学術的に検証

何度も読み返すだろうと思われる本で、栞のない本を読むときは、いつも自分で栞を付けてしまう。ハンズなどで200円くらいでいろいろな色の栞を数十本束ねて売ってるのを使っている。栞の長さは書物の対角線より一つまみ分長くとる。そしていつも2本取り…