2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧
恩地の作品にはビロードを使った装丁が沢山ある。 北原白秋『北原白秋全集』(アルス、昭和4年)もそんなビロードを使った装丁だ。 今から78年も前に作られた本だが、経年変化は見られるがさほどにいたんでいるとは思えない。もう1冊紹介しよう 『曽我廼家…
私が手製本を始めたきっかけは、バックスキンやビロードを使って製本し、暖かみのある本を作ってみたいという思いがあった。 しかし、そんな思いは教室に通いはじめた最初の日に打ち砕かれた。 ルリュールで使う布や革はほぼ決まっていて、それ以外の資材を…
4月21日、早稲田大学文学部で開催された明治美術学会に出席してきた。この会には五十殿(おむか)利治さんや青木茂さんなど、私があこがれている先生方が沢山いるので、とにかくお会い出来るだけでも、と思い参加した。 五十殿利治さんには『大正期新興美…
畦地梅太郎というと、木版画の山男の絵などを思い浮かべるが、今回はクレヨンのようなタッチの装丁を見つけたので思わず購入してきた。ジャケット(カバー)はぼろぼろに破れていたので、裏面に和紙を貼り修復した。100円だから、文句も言えませんがね。とに…
ご応募ありがとうございます。 プレゼントの当選者は 次の3人です。・「職業柄『編集者から見た索引編集』は見逃せません。」 東京都世田谷区……川月 現大さん ・「大阪梅田のリーチさんにももうありませんでした。」 茨木市田中町……松岡 高さん ・「書店で…
「……自装もないわけではない。『私自身のアメリカ』〈講談社文庫)、『美の王国の入り口で』(芸術生活社)、『エーゲ海に捧ぐ』(角川書店)、『私の調書』(角川文庫)、『模倣と創造』(中公文庫)の5冊である。」(前掲)この『私自身のアメリカ』は、…
「……自分の著書になると少々事情が異なる。本を一冊書き上げたあとに、装丁まで担当する気力がもてなかったことと、自分で装丁するよりは好きなデザイナーにやってもらう方が新鮮味が大きかったからである。デザイナーにとっては私の本の装丁は非常にやり難…
私は50代になった時に叶えてみたい3つの夢を打ち立てた。その一つが、25年間も他人の原稿をまとめ装丁をやってきたので、そろそろ自分で文章を書いて、組み版や装丁までも自分でやって、そんな本を3冊出してみたいというものだった。2004年にその一冊目の夢…
当ブログのカウンターがもうすぐ44444になります。 特にめでたいというわけではありませんが、 ここまで続けてこれたのも皆さんのおかげですので 感謝の気持ちを『本の手帳』2号プレゼントで表そうと思いました。 ご希望の方は ・「本の手帳2号プレゼント希…
装丁というと、付き物4点セットなどといって、ジャケット(カバー)、表紙、別丁扉、帯のデザインをすることを意味する事が多いが、コンピュータ導入のせいか最近ではデザイナーが一人で本文ページの組み版も含め、一冊丸ごとデザインすることが多くなって…
『池田満寿夫BOOKWORK』には装丁が没になった時の事を 「第二番目の装幀依頼は河野多恵子の『幼児狩り』であるはずだった。河野氏とは友人の招待でダービー見物に出かけた時知り合った。まだ芥川賞を受賞する前だったが、富岡の大学の先輩にあたり、…
池田満寿夫は、佐藤春夫他著『青春放浪』(宮坂出版社、昭和37年)の装丁をしたときのことを 「装幀で大金をもらった第一号は、『青春放浪』である。これは読売新聞の海藤日出男氏が出版を要求した。小出版社には不当に高額だったが、海藤氏の要請ということ…
昨日の朝日新聞に『ゆの字ものがたり』(新宿書房)が紹介されていた。これまで田村義也の装丁を紹介してきたが、手持ちの田村装丁本からかける話はこれくらいのもので、今後、またたくさん集まったら書いてみようと思う。 今日紹介するのは最近入手した田村…