伊藤静雨(晴雨と同一人物)のサイン

今月初めに、SMペディアの小竹さんから「大貫様のブログで晴雨と漢字は違うが同姓同名の挿絵画家・伊藤静雨を『風俗画報』にみつけた。とありましたが……これは発行年月はいつのものなのでしょうか?」との質問をいただき、久しぶりに事務所に行ったので、たくさんある「風俗画報」を引っ張り出して探した。


画像は伊藤静雨画「涼味五題其二」「涼味五題其五」(「風俗画報」第460号、大正3年8月5日)、5点のうちこの2点にサインがある。静雨は巻頭の写真版にも「須走口の六合目」を寄稿している。

これが、あの竹久夢二のモデルとなるお葉を責め絵のモデルにして責め絵で一斉を風靡した伊藤晴雨(1882-1961年)の初期の絵とは、驚いている人も多いでしょうが、綿密な考証で江戸の風俗を多岐にわたって記録した『いろは引・江戸と東京風俗野史なども著しているので、なるほどですね。



伊藤静雨:画「涼味五題其二」(「風俗画報」第460号、大正3年8月5日)



伊藤静雨;画「涼味五題其五」(「風俗画報」第460号、大正3年8月5日)



伊藤静雨:画「須走口の六合目」「(「風俗画報」第460号巻頭の写真版、大正3年8月5日)



伊藤晴雨著/宮尾與男 編注『江戸と東京風俗野史』全6巻を一冊にまとめ、新たに同著者による傑作『江戸の盛り場』を付し復刻(国書刊行会、2001年)