2011-01-01から1年間の記事一覧

堂昌一さんの突然の訃報で、「粋美挿画展」のポスターに使う予定だった堂昌一:画、長谷川伸「股旅新八景」(「光文社時代小説文庫」昭和62年10月)の原画を入手出来ないまま、ポスターの締切りが来てしまった。夕方6時ころに「明日ポスターのデータが欲しいんですが大丈夫でしょうか?」との連絡が入り、何も用意していないので大慌て。堂さんの分は画集から選ぶことにした。この絵は光文社時代小説文庫、長谷川伸「股旅新八景」(昭和32年)で使われたものだが、原画だけではなく、この32年版も手元にはないが、30年後に刊行された62

「縞(しま)の合羽(かっぱ)に三度笠、軒下三寸借り受けての仁義旅……『股旅者も、武士も、町人も、姿こそ違え、同じ血を打っている人間であることに変りはない』。義理と人情のしがらみ、法の外に打ち捨てられた渡世人の意地と哀愁にそそぐ温かいまなざし…

10月27日(木)〜11月3日(木)(am10:00〜pm8:00 最終日am10:00〜am12:00)に、神保町・東京堂書店で開催される「粋美挿画展」のポスターができ上がった。画像は、展覧会場でそれぞれ約50本のパーテーションボードのうち10本前後を飾る、伊勢田邦貴:画「砂漠のロレンス」、堂昌一:画「股旅新八景」、濱野彰親:画「棟居刑事の情熱」の3人の作品のなかから使われている。

最初予定していた作品は、濱野彰親「大地の子」、堂昌一「木枯し紋次郎」、伊勢田邦貴「快塔王」でしたが、全部入れ替えになってしまった。1枚1枚見ているときの感動と、ポスターに割り付けたときの見栄えのよさは必ずしも同じではなく、いい絵が3枚集まって…

山崎豊子「大地の子」(「文藝春秋」1987年5月号から1991年4月号)の挿絵を担当した濱野彰親さんのアトリエを訪問し、10月27日から11月3日まで神保町・東京堂書店6階で開催される「粋美挿画展」に展示する挿絵をお借りしてきた。

濱野彰親:画、山崎豊子「大地の子」(「文藝春秋」1987年5月号〜1991年4月号) 濱野彰親:画、松本清張「黒革の手帳」 他にも、松本清張「黒革の手帳」や森村誠一「棟居刑事のラブアフェア」など、拝見しているうちにどれも素晴らしく、すっかり魅せられて…

堂昌一:画、多岐川恭「用心棒」(「週刊新潮」昭和52[1977~78]年)は、羊羹を思わせるような超縦長の挿絵を特徴としてシリーズ化している。堂51歳、人気急上昇中の時の作品で、妖艶な女性を描かせたら当代随一、気力体力ともに最も充実している時期の堂の代表的作品といえよう。

堂昌一:画、多岐川恭「用心棒」(「週刊新潮」1977~78年) 堂昌一:画、多岐川恭「用心棒」(「週刊新潮」1977~78年) 縦長の挿絵のシリーズは、岩田専太郎も柴田錬三郎「どうでもいい事ばかり」(「夕刊フジ」昭和43年7月〜12月)で試みている。 岩田専太…

堂昌一は、岩田専太郎に私淑しその画風を研究した。その証を見つけようとしたが、掲載した事例は堂が描いた挿絵の方が古く、適当ではありませんが、雑誌などの膨大な資料からなかなか探せず、今回はご勘弁を。目の中に別の絵をコラージュした例だ。この他にも堂の絵と岩田の絵の共通点を見つけることは出来るものと思っており、岩田は堂が追いかけてくるのを快く思っていたのではないだろうか、というのが今回の仮説でもある。

堂昌一:画、矢桐重八「ぬめ肌女郎」(「裏窓」あまとりあ社、昭和38年8月号) 岩田専太郎:画、八切止夫「ちゅうちゅう鼡」(「自由新報」昭和45年)

吉祥寺の某古書店で、ビニ本(?)の「中身の確認をしたいんですが……」とお願いしたが、店主に「帰れ」とイワンばかりに苦虫を潰したような顔で手で合図され、中身の確認は出来なかった。が、神保町・某古書店のSM雑誌などが一杯に詰め込まれた二階のレジ脇に、まだ値付け前のビニール袋で梱包されていない本を見つけ、パラパラとめくってみると春日章の名前が出てきた。こうしてやっと出会えたのが春日章:画、団鬼六「肉の顔役」(「SMファン」司書房、昭和57年3月)。もう一つの雅号である堂昌一で大きな飛躍をなしとげた昭和49年から

春日章:画、団鬼六「肉の顔役」(「SMファン」司書房、昭和57年3月) 春日が書く文字はいつも面白い。サインも独特だが「団鬼六」の文字も個性的だ。「第」などは、どうしてこのような形になるのか理解出来ないくらいにまで変形させて楽しんでいる。思い通…

知人の宍倉佐敏氏が7月に上梓した『必携古典籍古文書料紙事典』(八木書店、2011年7月25日、定価10,000円+税)が3ヶ月も経たないのにたちまち増刷になった。こんなにも高価な書物がこんなに短期間に増刷になるとは、さすがの装丁力!? いや失礼、宍倉先生のたゆまぬ努力と知識の集積のたまものです。版元でさえも想定外の嬉しい誤算だったのではないだろうか。そんな勢いに乗って、10月には神保町で刊行記念講演会が開催されることになった。

http://tokyodoshoten.co.jp/blog/?cat=3・『必携古典籍古文書料紙事典』刊行記念講演』 ──文字を記し、古くから伝わる和紙」── ・講師………宍倉佐敏 ・日時………10月15日(土) 開場14時30分、開演15時〜17時 ・会場………東京堂書店・神田神保町書店6階 ・入場料……

昨日、堂昌一告別式の帰りに、神保町で仕事の打ち合わせを済ませ、当然古書店巡りをしてきた。春日章(堂昌一)画;「四畳半壁下描き」の挿絵が掲載されている「あぶろまん」(日本出版社、昭和56年4月)や団鬼六「闇の乱舞」の挿絵が入っている「SMファン」(司書房、昭和60年8月)等を購入してきたが、ブログにアップするには自主規制が働いて掲載を躊躇していたが、モザイク入れて掲載する事を思いついたので、実行してみた。55歳の円熟した春日章が描いた力作である。堂昌一名で描いた「白蝋荘事件」と春日章名で描いた「四畳半壁下描

春日章:画「四畳半壁下描き」(「あぶろまん」s56.4) 春日章:画「四畳半壁下描き」(「あぶろまん」s56.4) 春日章:画「四畳半壁下描き」(「あぶろまん」s56.4)

「裏窓」(久保書店、昭和35年1月号)には、堂昌一の表紙装画だけではなく、藤見郁「白蝋荘事件」の小説挿絵が掲載されており、一粒で二度美味しいお得な感じがする。この挿絵は優れもので、私の好きな絵だ。コラージュ風の絵が絶対的にいいとは言えないが、時間の経過や複雑に錯綜するストーリー展開を一つの画面に表現するにはぴったりの表現技法といえる。日本の古い本にもこの技法は使われていた。挿絵画家の構成力が問われるのは画家にとっては手を抜けない仕事だが、読者にとっては楽しみな技法といえる。

堂昌一:画、藤見郁「白蝋荘事件」(「裏窓」久保書店、昭和35年1月号) 堂昌一:画、藤見郁「白蝋荘事件」(「裏窓」久保書店、昭和35年1月号) 堂昌一:画、藤見郁「白蝋荘事件」(「裏窓」久保書店、昭和35年1月号) 昔の印刷や製本は、技術も管理も不十…

堂昌一の告別式に行ってきた。ご冥福をお祈り申し上げます。その後、神保町で仕事の打ち合わせをしてから、当然古書店巡りをした。今日の収穫は、堂昌一:画「裏窓」(久保書店、昭和35年1月号)など官能、SM系の雑誌。

堂昌一:画「裏窓」(久保書店、昭和35年1月号) 最近では殆ど見なくなったが、かつてはこの表紙のように表1から表4(裏表紙)にまで挿絵が続いていた。表4にバーコードが付けられるようになった頃からは、急激に雑誌の表4は広告のスペースに取って代わられ…

堂昌一:画「裏窓」(久保書院、昭和34年4月号)を入手。堂33歳の時の作品。堂が描くと官能小説でもSMでも品のいい挿絵になってしまう。そんな堂の挿絵には、この頃から熱烈なファンがいたという。

堂昌一:画「裏窓」(久保書院、昭和34年4月号) 「淫祠邪教・特集」というタイトルとは裏腹に何とも凛々しいヌードだ。これなら書店での購入時にも周囲を気にせずに気軽に買えるのでは?

堂昌一(どう・しょういち、1926年東京に生まれる、本名/堂前證一:どうまえ・しょういち、雅号/春日章:かすが・あきら、挿絵画家)

日本出版美術家連盟前会長・堂昌一先生がお亡くなりになりました。かねてより病気療養中のところ9月25日85歳で永眠致しました。ここに生前のご厚誼を深謝致しますとともに謹んでご通知申し上げます。 通夜 9月29日(木)午後6時〜7時 告別式 9月30日(金)午…

幣ブログで、ご紹介してきました堂昌一(春日章)氏が9月25日にご逝去されました。つつしんでお悔やみ申し上げます。

堂昌一が描いた昭和40年代の表紙絵を見てみよう。明治から戦前昭和期の雑誌の巻頭に三つ折りの巻頭口絵がついていた頃は、画家は挿絵を描くのはよくないこととされていたが、巻頭口絵だけは例外だった。巻頭口絵が雑誌の巻頭から無くなると、表紙を担当することが挿絵画家の新たなステータスともなってきた。遅咲きの大輪の花といわれる堂昌一も、40歳を迎える昭和40年代には月刊誌の表紙を描いていた。

堂昌一:画、「剣豪列伝集」(双葉社、昭和41年10月) 堂昌一:画、「剣豪列伝集」(双葉社、昭和41年10月) 堂昌一:画、「大衆小説」(双葉社、昭和42年7月) 堂昌一:画、「読切文庫」(双葉社、昭和43年2月) 堂昌一:画、「大衆小説」(双葉社、昭和47…

堂昌一:画、城戸禮『国際秘密警察 地獄行き三四郎』(広済堂、昭和47年1月)が届いた。堂46歳、岩田専太郎を引継ぐ3年前の作品だ。堂のこの時点での作品には、岩田の作品の特徴である、思いきったデフォルメやコラージュなどは見られない。「カラー小説新書」と謳っているこの本には4点のカラーの挿絵が挿入されている。全集などにはカラーの口絵や挿絵が挿入されていることもあるが、新書判の本にカラー挿絵が挿入されているのは珍しい。

堂昌一:画、城戸禮『国際秘密警察 地獄行き三四郎』(広済堂、昭和47年1月) 堂昌一:画、城戸禮『国際秘密警察 地獄行き三四郎』(広済堂、昭和47年1月) 堂昌一:画、城戸禮『国際秘密警察 地獄行き三四郎』(広済堂、昭和47年1月) 堂昌一:画、城戸禮『…

中尾明『黒の放射線』(鶴書房、昭和52年?)が届いた。発行年は記されていない。四六判変形、164ページの薄手の本に、堂昌一の見ごたえのある挿絵が50点ほど挿入されているというのが何ともすごい。この本には以前に刊行された、中尾明著/表紙イラスト・依光隆/挿絵・口絵・堂昌一『黒の放射線』(「ジュニアSF」全10巻、盛光社、A5版箱入り、昭和42[1967]年)がある。が、なかなか見つからず未見だが、挿絵は盛光社版が刊行されたときのものが流用されているものと推察される。今回『黒の放射線』を購入した目的は昭和49

長尾みのる:画、中尾明『黒の放射線』(鶴書房、昭和52年?) 堂昌一:画、中尾明『黒の放射線』(鶴書房、昭和52年?) 堂昌一:画、中尾明『黒の放射線』(鶴書房、昭和52年?) 堂昌一:画、中尾明『黒の放射線』(鶴書房、昭和52年?) 堂昌一:画、中…

紋次郎の風貌については第1作「赦免花は散った」に「切れ長の目に、一種独特の冷たさがある鼻も高いし口許も引き締まっていた。……その渡世人は、左の頬に傷跡を持っていた。もちろん、刀傷である。……その長身の渡世人は今年で三十になる。」とあるのが、紋次郎について書かれた風貌で、これを元にして挿絵画家が紋次郎像を創作していったのだろう。登場人物の特徴を絵で示す作家もいるようだが、紋次郎については、打ち合わせをしたのか、絵を示したりしたのか未調査で不明。

昭和46年7月に発表された第5作「水神祭に死を呼んだ」には「渡世人の両頬は、病後のように削げ落ちていた。長旅を続けているにしては、顔の色が青白かった。何を考えているのか、わからないような目をしている。妙に冷たく沈んでいる眼差しだった。虚無的な…

笹沢佐保「木枯し紋次郎」の挿絵を最初に担当した岩田専太郎が描いた挿絵が挿入されている「木枯し紋次郎/股旅シリーズ 土煙に絵馬が舞う」(「小説現代」講談社、昭和46年12月号)が届いた。これで岩田専太郎、小林秀美、堂昌一と「木枯し紋次郎」の挿絵を担当した3人の挿絵画家が描いた挿絵が揃った。三人の挿絵画家のそろい踏みだ。

岩田専太郎:画、「木枯し紋次郎/股旅シリーズ 土煙に絵馬が舞う」(「小説現代」講談社、昭和46年12月号) 岩田専太郎:画、「木枯し紋次郎/股旅シリーズ 土煙に絵馬が舞う」(「小説現代」講談社、昭和46年12月号) 笹沢のタイトルのつけ方もかっこいい…

◆粋美挿画展◆

期間……10月27日(木)〜11月3(木)10:00〜18:00 於………神保町・東京堂書店6F(すずらん通り) 東京都千代田区神田神保町1丁目17番地 都営新宿線・神保町 都営三田線・神保町 営団地下鉄半蔵門線・神保町 堂昌一:装画・挿絵、笹沢佐保『潮来の伊太郎 大利…

堂昌一が42歳の時、昭和43年に雑誌の表紙絵(装画)を描いた「読切文庫」(双葉社、昭和43年2月号)を見つけた。本文中にも城戸禮「拳銃不敵抜き討ち快男児」の挿絵を担当している。挿絵界にデビューして約20年、岩田専太郎が亡くなり岩田が担当していた連載小説の後を引継ぐ6年前の刊行だが、本当に喫茶店も営業していたのだろうかと思わせるほどのいい絵を描いている。店は姉さんに任せて、昌一は挿絵画家に専念していたのではないだろうか。

堂昌一:画、「読切文庫」(双葉社、昭和43年2月号) 堂昌一:画、城戸禮「拳銃不敵抜き討ち快男児」(「読切文庫」双葉社、昭和43年2月号) 堂昌一:画、城戸禮「拳銃不敵抜き討ち快男児」(「読切文庫」双葉社、昭和43年2月号) 堂昌一:画、城戸禮「拳銃…

横浜でフットケア・サロン「元町ハンナ」を経営しているWさんから、元町でみつけたという古いコカコーラの自販機が現役で働いている写真が送られてきた。どうやってボトルを取り出すのか、本当にコーラが出てくるのか心配になりそうな厳(いか)つさで、購入すること自体が楽しみになる自販機は、一度確認のために元町に行かなければなるまい。元町にはこのての自販機が、何台かあるようだ。なんでも便利になってしまった今日に、どことなく使いづらそうながら頑固に頑張ってところが自己主張しているようでいいね。空き瓶のホルダーもかっこいい。

フットケア・サロン「元町ハンナ」は 日常生活の足トラブルで困っている方の足を、健康に美しく整え、楽しい歩行と自由な生活をサポートします。 http://motomachi-hannah.com/introduction.html

堂昌一が落款の[S]を大きくしているのは、あこがれの岩田専太郎の落款[S]を意識して、似たようなデザインにしているのだろう。そんな事を意識していたかどうか、専太郎は次々と落款のデザインを変えていく。

堂昌一落款、昭和43年 岩田専太郎落款、大正15年 岩田専太郎落款、昭和14年 岩田専太郎落款、昭和33年 岩田専太郎落款、昭和47年 岩田専太郎落款、昭和47年

挿絵画家・堂昌一のもう一つの雅号である春日章の名前で描いた挿絵、春日章:画、矢桐重八「ぬめ肌女郎」(「裏窓」昭和38年8月号)を初めて入手することができた。堂37歳の時の作品で、岩田専太郎から挿絵を引継ぐことになる11年前の作品だ。堂昌一と「艶展」で交流のある画家の某氏から「堂先生の春日章名の作品では「蒼い女」だったかな団鬼六先生のが良かったなあ。シリーズだと思いますが、挿絵は新聞に載ってたし私も読んだ名作(官能小説では最高)です。……銀座で25年やっていた「艶展」もそんなファンに支えられ壁面全部の作品お

春日章:画、矢桐重八「ぬめ肌女郎」(「裏窓」昭和38年8月号) 春日章:画、矢桐重八「ぬめ肌女郎」(「裏窓」昭和38年8月号) 春日章:画、矢桐重八「ぬめ肌女郎」(「裏窓」昭和38年8月号) 春日章:画、矢桐重八「ぬめ肌女郎」(「裏窓」昭和38年8月号)…

架蔵書の中では一番古い堂昌一の挿絵が掲載されている冊子となる「夫婦ロマンス」(「夫婦ロマンス社」昭和26年12月)が届いた。雑誌のサイズとしては小型の四六判(B5判)平綴じ。昭和22年に喫茶店「ねすぱ」を開店し、店に集まるようになった編集者からカットを頼まれるようになったのが挿絵を描き始めるきっかけだっらというから、岩堀光「空手仁侠鉄火場往来」(「夫婦ロマンス」昭和26年)は堂が手がけた小説の挿絵としてはかなり初期のもので、名前が表記されるようになるのもこのころからではないかと思われる。

堂昌一:画、岩堀光「空手仁侠鉄火場往来」(「夫婦ロマンス」昭和26年) 堂昌一:画、岩堀光「空手仁侠鉄火場往来」(「夫婦ロマンス」昭和26年) 堂昌一:画、岩堀光「空手仁侠鉄火場往来」(「夫婦ロマンス」昭和26年)

「復刊ドットコム」には著者:春日章『春日章妖艶画集』

出版社:勁文社 ジャンル:文芸書 登録日:2003/03/16 23:33 復刊リクエスト番号:15268 が登録されているが、是非復刊して欲しい。古本があったらぜひ購入したい。

堂昌一には雅号・春日章(かすがあきら)の名前で描いていた時代があるが、『堂昌一挿絵画集』では全く触れられていない。

ネットで検索をかけると下記の4点だけがヒットした。 ・文・矢桐重八、絵・春日章「ぬめ肌女郎」(「裏窓」昭和38年8月号) ・江戸穣次/春日章『生贄・ガ-タ-ベルトの女』(勁文社、1989年05月01日発売 文庫) ・江戸穣次/春日章『令嬢縄処刑』(勁文社、1…

『堂昌一挿絵画集』に記載されている「作者略歴」は下記の通りだが、1974年、岩田専太郎の後を引継ぐ以前の作品については触れていない。1944年から1974年の空白となっている埋めて見ようと思う。(*印は筆者が加筆)

1926年 東京に生まれる *1933年 7歳の時、父が他界、母と共に姉の婚家へ引き取られる 1941年 本郷絵画研究所に学ぶ 1944年 大東亜戦争美術展、聖戦美術展出品、陸軍美術協会会員 *1948年 西銀座に喫茶「ねすぱ」を開店、編集者が店に集まるようになり彼ら…

笹沢佐保「木枯し紋次郎」の挿絵などで知られる挿絵画家・堂昌一(1926年〜)のさし絵デビュー作はなんだろうか? と思い、『堂昌一挿絵画集』等をめくってみたが分からない。こうなるとついむきになって調べようとする欠点ともいえる性格が頭をもたげる。

堂昌一『堂昌一挿絵画集』(ノーベル書房、平成4年9月)この本に掲載されている一番古い作品は、杉本苑子「汚名」(「毎日新聞」1961.3)、堂昌一35歳の時の作品とあるが、これは間違いで「汚名」は1991年に発表されている。この画集では笹沢佐保「日暮妖之介…

伊勢田邦貴展と粋美装画展が同時期に開催されることになり、これからの準備作業が大変だ。

◆伊勢田邦彦展◆ 期間……10月24日(月)~30日(日) 於………日本橋ナンワギャラリー 東京都中央区日本橋室町4-12-6 TEL.03-5241-3927 JR山手線、神田駅より徒歩5分 JR総武快速、新日本橋駅より徒歩6分 営団地下鉄銀座線、三越前より徒歩6分 営団地下鉄半蔵門…

光文社版『江戸川乱歩全集』等で知られる挿絵画家・伊勢田邦貴(大正10〈1921〉年1月24日〜平成21〈2009〉年9月15日、ペンネーム:伊勢田邦彦、幾野久、いくのひさし)のご遺族に、10月末に銀座で開催される展覧会、10月27日〜11月3日、神保町・東京堂書店6階で開催予定の「粋美装画展」の展示作品をお借りするために訪問した。

ネットで古書価数万円もする昭和22年に刊行された光文社版『江戸川乱歩全集』等が山と積まれていた。コナン=ドイル『赤い文字の謎』(名探偵ホームズ)1、ポプラ社、昭和36年)は、単行本、ジャケット原画、本文中挿絵、色校正等が全てセットで揃っていた。…