【西東京市市内ではごく限られた場所でしか見られなくなってしまったキンランの花!】…市内の植物探索(44)

西東京市市内ではごく限られた場所でしか見られなくなってしまったキンランの花!】…市内の植物探索(44)
 山地や丘陵の明るい雑木林の中に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)です。金蘭(キンラン)の名前の由来は、美しい黄色の花色を黄金色に見立てて付けられたものです。 
 日本、中国、韓国原産で、ラン科キンラン属の多年草の野草です。地上性の野生蘭で、日本の北海道から九州の雑木林に自生します。4月~5月頃が花の季節で、開花直前は葉が花茎を抱くような姿をしています。次第に花茎が伸びて下から順に開花し、頂点の花は開ききらない特徴があります。
 キンランは、葉で光合成を行い栄養分を得るとともに、特殊な菌類との共生をする半寄生植物として知られています。この菌類はコナラなどの樹木の根とも共生し、キンラン-菌類-樹木のネットワークを形成しているため、キンランのみの移植は困難です。周辺環境と土壌環境が生育の絶対条件のようで、キンランを移植しても決して繁殖させることはできません。
  栽培のために掘りとられることが多くなったことや、雑木林の減少とともに数は減っており、市内ではなかなか見られなくなったランのひとつです。各地で個体数が減少しているため、絶滅危惧種に選定されています。
 
 
西東京市西原町4丁目で2024.4.27に撮影したキンランの花

 
西東京市緑町1丁目で2015.5.20に撮影

 
練馬区関町北4丁目で2017.4.30に撮影

 
 
東大和市・東京都薬用植物園で2023.4.19に撮影