2011-09-22から1日間の記事一覧

紋次郎の風貌については第1作「赦免花は散った」に「切れ長の目に、一種独特の冷たさがある鼻も高いし口許も引き締まっていた。……その渡世人は、左の頬に傷跡を持っていた。もちろん、刀傷である。……その長身の渡世人は今年で三十になる。」とあるのが、紋次郎について書かれた風貌で、これを元にして挿絵画家が紋次郎像を創作していったのだろう。登場人物の特徴を絵で示す作家もいるようだが、紋次郎については、打ち合わせをしたのか、絵を示したりしたのか未調査で不明。

昭和46年7月に発表された第5作「水神祭に死を呼んだ」には「渡世人の両頬は、病後のように削げ落ちていた。長旅を続けているにしては、顔の色が青白かった。何を考えているのか、わからないような目をしている。妙に冷たく沈んでいる眼差しだった。虚無的な…

笹沢佐保「木枯し紋次郎」の挿絵を最初に担当した岩田専太郎が描いた挿絵が挿入されている「木枯し紋次郎/股旅シリーズ 土煙に絵馬が舞う」(「小説現代」講談社、昭和46年12月号)が届いた。これで岩田専太郎、小林秀美、堂昌一と「木枯し紋次郎」の挿絵を担当した3人の挿絵画家が描いた挿絵が揃った。三人の挿絵画家のそろい踏みだ。

岩田専太郎:画、「木枯し紋次郎/股旅シリーズ 土煙に絵馬が舞う」(「小説現代」講談社、昭和46年12月号) 岩田専太郎:画、「木枯し紋次郎/股旅シリーズ 土煙に絵馬が舞う」(「小説現代」講談社、昭和46年12月号) 笹沢のタイトルのつけ方もかっこいい…

◆粋美挿画展◆

期間……10月27日(木)〜11月3(木)10:00〜18:00 於………神保町・東京堂書店6F(すずらん通り) 東京都千代田区神田神保町1丁目17番地 都営新宿線・神保町 都営三田線・神保町 営団地下鉄半蔵門線・神保町 堂昌一:装画・挿絵、笹沢佐保『潮来の伊太郎 大利…