吉祥寺の某古書店で、ビニ本(?)の「中身の確認をしたいんですが……」とお願いしたが、店主に「帰れ」とイワンばかりに苦虫を潰したような顔で手で合図され、中身の確認は出来なかった。が、神保町・某古書店のSM雑誌などが一杯に詰め込まれた二階のレジ脇に、まだ値付け前のビニール袋で梱包されていない本を見つけ、パラパラとめくってみると春日章の名前が出てきた。こうしてやっと出会えたのが春日章:画、団鬼六「肉の顔役」(「SMファン」司書房、昭和57年3月)。もう一つの雅号である堂昌一で大きな飛躍をなしとげた昭和49年から



春日章:画、団鬼六「肉の顔役」(「SMファン」司書房、昭和57年3月)
春日が書く文字はいつも面白い。サインも独特だが「団鬼六」の文字も個性的だ。「第」などは、どうしてこのような形になるのか理解出来ないくらいにまで変形させて楽しんでいる。思い通り、好き勝手が許される。この辺が絶頂期の証でもある。



春日章:画、団鬼六「肉の顔役」(「SMファン」司書房、昭和57年3月)



春日章:画、団鬼六「肉の顔役」(「SMファン」司書房、昭和57年3月)