2011-09-30から1日間の記事一覧

「裏窓」(久保書店、昭和35年1月号)には、堂昌一の表紙装画だけではなく、藤見郁「白蝋荘事件」の小説挿絵が掲載されており、一粒で二度美味しいお得な感じがする。この挿絵は優れもので、私の好きな絵だ。コラージュ風の絵が絶対的にいいとは言えないが、時間の経過や複雑に錯綜するストーリー展開を一つの画面に表現するにはぴったりの表現技法といえる。日本の古い本にもこの技法は使われていた。挿絵画家の構成力が問われるのは画家にとっては手を抜けない仕事だが、読者にとっては楽しみな技法といえる。

堂昌一:画、藤見郁「白蝋荘事件」(「裏窓」久保書店、昭和35年1月号) 堂昌一:画、藤見郁「白蝋荘事件」(「裏窓」久保書店、昭和35年1月号) 堂昌一:画、藤見郁「白蝋荘事件」(「裏窓」久保書店、昭和35年1月号) 昔の印刷や製本は、技術も管理も不十…

堂昌一の告別式に行ってきた。ご冥福をお祈り申し上げます。その後、神保町で仕事の打ち合わせをしてから、当然古書店巡りをした。今日の収穫は、堂昌一:画「裏窓」(久保書店、昭和35年1月号)など官能、SM系の雑誌。

堂昌一:画「裏窓」(久保書店、昭和35年1月号) 最近では殆ど見なくなったが、かつてはこの表紙のように表1から表4(裏表紙)にまで挿絵が続いていた。表4にバーコードが付けられるようになった頃からは、急激に雑誌の表4は広告のスペースに取って代わられ…