堂昌一:画、城戸禮『国際秘密警察 地獄行き三四郎』(広済堂、昭和47年1月)が届いた。堂46歳、岩田専太郎を引継ぐ3年前の作品だ。堂のこの時点での作品には、岩田の作品の特徴である、思いきったデフォルメやコラージュなどは見られない。「カラー小説新書」と謳っているこの本には4点のカラーの挿絵が挿入されている。全集などにはカラーの口絵や挿絵が挿入されていることもあるが、新書判の本にカラー挿絵が挿入されているのは珍しい。



堂昌一:画、城戸禮『国際秘密警察 地獄行き三四郎』(広済堂、昭和47年1月)



堂昌一:画、城戸禮『国際秘密警察 地獄行き三四郎』(広済堂、昭和47年1月)



堂昌一:画、城戸禮『国際秘密警察 地獄行き三四郎』(広済堂、昭和47年1月)



堂昌一:画、城戸禮『国際秘密警察 地獄行き三四郎』(広済堂、昭和47年1月)


堂昌一城戸禮との付合いは長く、私の知っているだけでも
城戸禮/装幀・堂昌一、『男一匹つむじ風』(青樹社、昭和37年)
城戸礼堂昌一装、『逆襲爆発社員(長篇痛快小説) 』(青樹社、昭和38年)
城戸禮堂昌一:画、「拳銃不敵抜き討ち快男児」(「読切文庫」双葉社、昭和43年)
城戸禮堂昌一:挿絵・装丁『地獄行き三四郎』(広済堂出版、昭和47年)
城戸禮堂昌一装幀、『拳銃刑事』(青樹社、 昭和56年)
などがあり、三四郎シリーズは城戸の代表作でもあり、一緒に仕事をした作品はこのシリーズだけでもかなりあるはずだ。『堂昌一挿絵画集』には、おもに岩田専太郎の後を引継いだ昭和49年からの作品が掲載されているが、城戸禮とは49年以降にも一緒に仕事をしているが、画集には出てこない。
 三四郎シリーズは、巻末広告にも8冊記載されているが、50点以上はあるものと思われる。シリーズとはいえ三四郎は同一人物ではなかったりして、矢継ぎ早に刊行される作品を堂の代表作として取り上げるには、問題があるのかも知れない?