2007-01-01から1年間の記事一覧

通信販売が大成功

このにっちもさっちも行かなくなった状況の中での、最後の一手が見事に大当たりし、大同出版は倒産を免れる。それだけではなく、桜井の夢だった文芸出版社としての桜井書店を起ち上げるための準備資金もできた。 「文芸出版というものが極めて経営の困難なも…

大同出版、桜井書店を興すまでの道のり

桜井均は高等小学校を卒業するとすぐに春江堂という出版社に奉公し、約8年ほど務める。関東大震災で春江堂は灰燼と化し、大阪に移転するのを機に春江堂を退社。大正12年22歳の時に独立する。このとき安岡夢卿『関東大震災実記』を出版、売に売れたという。…

桜井書店と大同出版4

1ダースさんからのご指導で国会図書館HP内《総合目録ネットワーク》から、春江堂、三興社、山洞書店、大同出版、桜井書店と、桜井均がたどってきた出版データを得ることができました。新刊本のデータということではないので、誤字があると別の本として記載さ…

大同出版の出版物を2冊ゲットした。何れも初版本でどれほど売れたのかはわからない。古本屋さんはなぜか第2版(2刷り)以降に発行された本をあまり売ろうとしないので、増刷された本を探すのはなかなか難しい。なぜ初版本がいいのか私には全く理解できないし、初版本が高価で取引されているのが不思議でならない。

・長谷川隆『現代用語辞典』(大同出版、昭和25年) ・仲本秀四郎『入門写真の撮り方』(大同出版、昭和32年) この2点が発行された昭和25年から昭和32年ころは、桜井均の精力は殆ど大同出版に注がれ、桜井書店からは殆ど出版されていない。 松本八郎「『世…

auさんからのご指導で新データを1冊ゲット

古書を集めるのにもさまざまなテクニックが必要なことをおもい知りました。1ダースさん、auさんありがとうございました。 おかげで ・田上帯雨『ペン習字兼用 組立自在応用手紙の書き方』(大同出版社、昭26年)を1冊、「大同出版書誌データ」に新たなデータ…

大同出版の出版物をネットで探す

「日本の古本屋」はリニューアルしてから書店名だけでの検索ができないシステムになってしまったようで、検索が大変やりにくくなってしまった。これでは購読者にとってはシステムの改悪だ。基本検索には出版社名で検索するシステムがないので、、詳細検索に…

桜井書店と大同出版1

仕事で神保町へ行ったので、源喜堂に立ちよった。 辻克己の本だったので何気なくぱらぱらとめくっていたら、 奥付の発行所が大同出版だったので、ふと我に返り早速購入してきた。 ・辻克己『図案・文案 広告資料大集成』(大同出版、昭和25年) この本の最終…

これが柳原良平装丁の「洋酒マメ天国」28と25

『船の本』に登場する柳原良平自身の似顔絵と 下記の『洋酒マメ天国』に登場する「アンクルトリス」とは 似ていなくもないが、これがその「アンクルトリス」です。 昭和30年代ころだろうか、テレビが初めて家庭に入ってきた頃に このトリスのおじさんがウィ…

61年に真鍋博、久里洋二と一緒にアニメーションの会を結成したという柳原良平の絵本も購入。

古書市での収穫、続々篇です。 ・柳原良平=絵、小海永二『タグボートのいちにち』(福音館書店、昭和34年) も、古書市での一目ぼれ本です。透明のビニール袋に入れセロテープで本棚にぶら下げてあったもので、内容を確認もしないで購入してきた。 この本の…

どんだけ〜!真部博の装丁はすごい、すごいぞ〜!!!

昨日の古書市の収穫の続きです。 ・山川方夫『日々の死』(平凡出版、1959[昭和34]年) がそのどんだけすごい「どんだけ本」(*注)です。 山川は寿屋(現在のサントリー)のPR誌『洋酒天国』(明日当ブログに登場する予定)の編集に関与する。 上はその函…

出勤途中の古本市で古沢岩美の装丁本を

またも出勤途中に古本市に立ち寄ってしまった。ホンの10分でもいいから、古書店の入れ替えがあったときくらいは覗いてこなければね。 今日の収穫は5冊で、まずは ・池田満寿夫装画「話の特集」(話の特集社、昭和44年2月) ・池田満寿夫装画「話の特集」(話…

「国際画報」表紙はタイトルも装画もモダンだ

表紙のタイトルばかり追いかけていて、装丁のことなどすっかり忘れていたが、 ・『国際画報』第7巻1号(大正通信社、昭和3年) ・『国際画報』第7巻3号(大正通信社、昭和3年) は装飾図案文字のタイトルも見事だが、彦坂楊亮(ようすけ)による表紙のアール…

el-sur さん『シネマの世紀 映画生誕100年博覧会』が届きました

教えていただきましてありがとうございます。思ってた以上のすごい図録でした。古いポスターもたくさん掲載されていて資料性も高く、ていねいに編集されていて大満足です。

昭和初期にこんな書体集も

リョービの写植書体で「行成」という書体があるが、これは味岡新太郎さんが1980年代に発表したものでリョービイマジクスの味岡新太郎かなシリーズとして発売されたもの。 この元本なのかどうかはわからないが、本棚の奥の方から「行成卿かな帖」(目黒書店、…

高橋忠弥の手製本「写生」を入手した

高橋忠弥の話を書くのも久しぶりになってしまった。先日所沢の古書市で忠弥装画の「文藝首都」(文藝首都社、昭和38年)を購入した。 本文中にもたくさんの挿絵を寄せている。忠弥の挿絵はタブローとの差がないところがいい。描くときにはタブローも挿絵も区…

大正末期の装飾文字を使った本2点

大正16年1月刊行の「週刊朝日」だ。実際には大正16年はなかったが、新年号は12月末には配本されてしまうので昭和元年12月には訂正が間に合わなかったのだろう。私は平成元年になっても使われていた昭和65年の10円銅貨や定期券を持っているが、これも訂正が間…

昭和53年の図案文字、首藤進=装丁「面白半分」

先日所沢の古書市に行き、5時間も古本漁りをやっていた。そのうちの1冊がこの ・筒井康隆編集「面白半分」(面白半分、昭和53年7月)装丁+題字=首藤進、表紙絵=杉村篤 題字が面白かったので購入してしまった。装飾図案文字がこんな形で使われているのがユ…

『1億人の昭和史』(毎日新聞社、昭和51年)にも大正時代の映画ポスターが

土曜日に、久しぶりに所沢・クスノキホールの古書市へ行ってきた。購入した数点の本の中に映画ポスターがたくさん掲載されている『1億人の昭和史』(毎日新聞社、昭和51年)を見つけ、購入してきた。きれいな本で300円は安い。 大正末期から昭和初期にかけて…

三好一『日本のポスター』(紫紅社、2003年)に山田伸吉の作品が

装飾図案文字がいつころから始まったのかという話からはちょっと外れてしまうが、山田伸吉がデザインした大正14年の松竹座ポスター『ドン・Q』他2点が三好一『日本のポスター』(紫紅社、2003年、文庫判、1200円+税)に掲載されている。 たまりませんね、こ…

なんと、天六有楽座とは……

ちなみに有楽座は、1930年6月に演劇劇場として開館した。戦後、映画館となる。 ……と、これは東京の有楽座の話で、天六有楽座というのは大阪にあるらしい。「天六有楽座」でネット検索すると http://www.stag.jp/xc/gbase+disp+4864 には、 「有楽座 昔から有…

朝から古書市で油売

今日の出勤途中での買い物を掲載します。 「有楽座」のロゴタイプのかわいらしさに魅せられてつい購入してしまいました。 昭和初期の映画チラシのようなので、今回の「キネマ文字か雑誌のタイトルか」のデットヒートには関係なさそうでしたが、つい購入して…

果たして古い映画雑誌の表紙にはキネマ文字があるか

もう少し映画関係の雑誌などでキネマ文字を探してみようとして ネット検索で「活動画報」と入力してみた。すると http://72.14.235.104/search?q=cache:xvs6C8z8L4wJ:www.kawakita-film.or.jp/books/material06/material06.html+%E6%B4%BB%E5%8B%95%E7%94%BB…

初山滋、岡本帰一などの『アラビヤンナイト」が3冊出てきた

昨日朝、ムク板でできたタテ2m×ヨコ1.2mのガラス扉付きの重厚で大きな本箱が届いた。詩集のために彫った版画が本箱に化てくれたようだ。そんなことで、夜は本の整理に追われている。蔭の方に追いやられていた本との出会いが嬉しくて、本の整理は遅々とし…

『グラフ日本映画史 ああ活動大写真 戦前篇』(朝日新聞社、昭和51

久しぶりに、高円寺の古書市に出かけた。購入したい本が沢山あったので、購入すべきかどうか悩んだ末にあきらめてきた本が数冊あって、その中の1冊 ・『グラフ日本映画史 ああ活動大写真 戦前篇』(朝日新聞社、昭和51年)装丁=山藤章二 はどうしてもあきら…

「キネマ・ニュース」NO.50(影絵社、昭和3年1月)にも当然キネマ文字が

前日紹介した「キネマ旬報」より3年間さかのぼって昭和3年1月に発行された「キネマ・ニュース」を見てみよう。影絵社というのがなんとも時代を感じさせていいね。ここにもさらに激しく熱い装飾図案文字が満載されている。やはり昭和初期にはすでにキネマ文字…

装飾図案文字がキネマ文字と呼ばれるというなら、やはりその名が付けられた昭和初期の「キネマ旬報」を見なければ

ということで、早速 ・「キネマ旬報」第359号(キネマ旬報社、昭和6年3月、創刊=大正8年7月) を購入。映画の掲載広告などを探してみたら、さすがにキネマ旬報ですね。「キネマ文字の宝石箱や〜。」ほんとオンパレードだ。「欧米か〜!」 大正8年に創刊し…

清水良雄装丁『赤い鳥』には広告にもおしゃれな図案文字が

写真は ・装丁・清水良雄『赤い鳥』第13巻4号(赤い鳥社、大正13年) 『赤い鳥』は1918年7月1日に鈴木三重吉が創刊した童話と童謡の児童雑誌で、近代児童文学や児童音楽の創世期に重要な影響を与えた。1929年〜1931年の間休刊があるものの三重吉の死(1936年…

装丁=清水良雄『赤い鳥』は挿絵だけでなく題字もうまい!

この雑誌も装画が気に入って集めていた。初山滋や武井武雄のデフォルメのきいたいつもドキドキさせる挿絵と違って、しっかりと自然なデッサンに基づいた情緒あふれる装画だが、トリミングやしぐさや表情とらえ方などの感性がずば抜けて見事で、気まじめな画…

辻克己編『商業広告図案大集成』は10万円もする

辻克己編『商業広告図案大集成』が欲しくてネットで検索したら10万円もするので、即刻あきらめた。でも神保町で見てきたら函入のきれいな本でも2万円で売っていた。それでも即刻あきらめた。 そんな折り、昼休みに新宿・世界堂へボンドなどを購入に行き、つ…

昨日掲載した初山滋の『日本童話選集』見返が気になって

『日本童話選集』見返にあった人で作った文字の原形を探していたがなかなか見つからず、とりあえず見つかった資料を掲載します。 思うような資料を見つけることができず、今日の調査は空振りでした。よく似た書体を見た記憶があるのだが……。