61年に真鍋博、久里洋二と一緒にアニメーションの会を結成したという柳原良平の絵本も購入。

古書市での収穫、続々篇です。


柳原良平=絵、小海永二タグボートのいちにち』(福音館書店、昭和34年)
も、古書市での一目ぼれ本です。透明のビニール袋に入れセロテープで本棚にぶら下げてあったもので、内容を確認もしないで購入してきた。
この本のすごさは構図の取り方に大胆さがあり、一気に気に入ってしまいました。ビビッドな配色の巧みさも見事ですよね。背面の大きな面積を占める色とモチーフの色の関係が絶妙です。こんなに大きな面積をこんなに鮮やかな色を使うのは実は大変難しいんです。






黄色のページの船が半分ずつはみ出しているのも実は製作中は全部入れるべきかどうか悩むものなんですね。しかし、こうしてはみ出したように描くと、画面に広がりができて、絵が大きく見えルンです。細部まで神経が行き届き、製図のような精密さがあるが、それでいて、どことなく暖かく親しみがある。その辺が柳原良平の絵の魅力なんだろうな、な〜んて思っている。


柳原良平昭和6年、東京に生まれ。京都美術大学卒業後、寿屋(現:サントリー)宣伝部に入社。ここであの有名な2頭身のキャラクター「アンクルトリス」が誕生する。開高健のキャッチフレーズに柳原良平のイラストという名コンビは TV コマーシャルなどでも大ヒットした。1956年4月からトリスバーで配られていた伝説のフリーペパー壽屋PR雑誌「洋酒天国」(創刊〜'64では表紙と本文カットを担当、開高健が編集長)は、吉行淳之介を始め豪華な執筆陣のエッセイで編集され、最盛期には発行部数20万部を誇った。後に小さな単行本『洋酒マメ天国』として全36冊のシリーズとして発行される。この本は現在でも古書界では人気のある豆本セットとなっている。


柳原をさらに有名にしたのはなんといっても船に関する博学ぶりだろう。船に関する本を沢山書いている。
私もかつてはヨットマンでしたので、海には興味を持っていたので、私の書棚からも
柳原良平 船の本』(至誠堂、1969年)
柳原良平 第2船の本』(至誠堂、1969年)
などを見つけることができた。




昔のイラストレータといっては申し訳ないかな、(現在は船の町横浜に住んでいるそうです。)……はみんなすごいですよね。それと一つのことに魅せられてしまい、そのことだけを徹底的に追いかける人って云うのも魅力的ですよね。一生かけてだもんね。