「キネマ・ニュース」NO.50(影絵社、昭和3年1月)にも当然キネマ文字が

前日紹介した「キネマ旬報」より3年間さかのぼって昭和3年1月に発行された「キネマ・ニュース」を見てみよう。影絵社というのがなんとも時代を感じさせていいね。ここにもさらに激しく熱い装飾図案文字が満載されている。やはり昭和初期にはすでにキネマ文字大ブームは始まっていたようだ。「キネマ旬報」も「キネマ・ニュース」もネット古書店では4000円〜で結構高い。古書市でもっと安いのをさがそ〜っと。


写真はロゴタイプもおしゃれに決めている

・キネマニュース表紙1、
以下表紙2、本文中の広告。










「罪」「名」「重」の四角の上の部分がカーブしているが、これも大きな特徴だが、ここではまだそんなに頻繁には用いられていない。「ウ」冠が大きいのも特徴的だ。そして相変わらずコウモリの羽根というかカモメのシルエットのような形が頻繁に登場しているのがわかる。


ここにはあまりはっきりとした形で現れていないが、一番下の写真にある「恋」「「愛」にある「S」が崩れたような、コイが泳いでいるような、あるいはカイゼルヒゲのような形が左下に払う時などに見られるのもキネマ文字の特徴だ。邦画んも広告が初めて出てきたが、なかなかいいキネマ文字でがんばっているね。



ここまで特徴を見てくると、これらの特徴を取り入れさえすれば、もうこの時代の文字はマスターしたも同じで、簡単に昭和初期を演出できるはずだ。


デザイナーはこんな情報を引き出しに沢山ため込んでおいて、いざというときに必要に応じて、演出の小道具として取り出すのだ。


キネマ文字には関係ないが、「タイタニック」の広告が掲載されていたので驚いた。
1912(大正元)年、北大西洋上で氷山に衝突し20世紀最大の海難事故となった豪華客船「タイタニック」の事故。100年近く経つにも関わらず、未だに人々の関心を引いてやまない豪華客船「タイタニック」の出港から沈没までの5日間の乗客・乗員の姿を描いた悲劇。事件発生後16年で全10巻の本になって、あのキャメロン監督、ディカプリオ主演でアカデミー賞を11部門で獲得した映画の原作が発売されていたんですね。