2011-12-09から1日間の記事一覧

そもそも輸入ボール紙はいつごろ、どこで製造が始まったのか?『段ボール物語』(前記)によると「西暦1750年(*261年前)ドイツにおいて藁を原料とする黄色包装紙製造を発明し、ついで西暦1809年(*202年前)にはジョン・デッキンソンが丸網式ヤンキー抄造機を完成し、板紙抄造に画期的進歩をもたらしたのである。西暦1817年(*194年前)には英国の板紙工場技師ヒューズが、初めて特別光沢を付する装置を発明し、光沢付板紙を市場に販売した」と記されており、明治維新より約120年も前に発明され、59年も前に量産が始

●国産初の板紙(ボール紙)

厚表紙とか堅表紙と呼ばれるボール紙を使う西洋式の製本には、本製本(糸縢り綴付け本)や上製本、そして、南京綴などの「くるみ製本」呼ばれる簡易上製本等がある。明治初期に輸入されたこれらの西洋式製本には、板紙は必要不可欠な資材であったが、まだ国…

板木に彫り和紙に摺り糸で綴じた和式製本(和綴)から、洋紙に活字で印刷し、折丁を糸で縢る洋式製本ヘの技術革新は、単なるバージョンアップではない。幕末の草子や合巻もののように年に二〜三回発行で、文字数の少ない視覚的な情報装置から、一冊に大量の文字情報を貯蔵し、短期間で制作・伝達する装置への大転換であり、文字を中心とした新たな大量情報伝達装置の誕生なのであり、今日のブロードバンドにも匹敵する大変革なのである。

サミュエル・スマイルズ『自助論』を訳した中村敬太郎(正直)訳、木平謙一郎板『西国立志編』の初版は十三篇十一冊、半紙判、和紙和綴、木版印刷、黄表紙で明治四年に七月に刊行した。(*木平謙一郎板『西国立志編』十三篇十一冊のうちの1冊をネットで購入…

●大量情報伝達装置と読者の誕生