●国産初の板紙(ボール紙)

厚表紙とか堅表紙と呼ばれるボール紙を使う西洋式の製本には、本製本(糸縢り綴付け本)や上製本、そして、南京綴などの「くるみ製本」呼ばれる簡易上製本等がある。明治初期に輸入されたこれらの西洋式製本には、板紙は必要不可欠な資材であったが、まだ国産ボール紙は生産されていなかったので、輸入ボール紙に頼るしかなかった。「板紙は当時石鹸、帽子などの輸入に伴い、軽量にして取扱簡便なため非常に重宝がられ、大正期に至るまで主として米国より相当量の輸入があったのである」(村瀬憲臣『段ボール物語』段ボール工業新聞、昭和50年)