ノンブルの出現は読者の検索の利便性を高めただけではなく、面付けという複雑な展開図を使う印刷工程の現場が、最もノンブル出現の恩恵を受けたにちがいない。1ページごとに組まれた組版は、片面に8ページずつ面付けされ、製版・印刷段階ではさかさまの頁が隣に組まれたり、順不同に並べられたり、と混乱しがちなので、この段階で誤りを発見するセンサーのような役割もあった。



「面付け」の説明図