2011-12-26から1日間の記事一覧

当時の朝日新聞の連載小説は、「虞美人草」の様にさし絵のない現代小説と、絵入り小説と呼ばれる時代小説の二本が掲載されていた。

春仙は、漱石「虞美人草」、二葉亭四迷「平凡」、漱石「坑夫」の装画(題字飾り)を手がけた後に、島崎藤村「春」135回(東京朝日新聞、明治41年4月)で初めて挿絵を担当する。洋画風の構図やスケッチに交えて時には和風のタッチをもとり入れ大変な評判を呼…

「虞美人草(ぐびじんそう)」は夏目漱石が明治40年東京帝国大学を辞職、朝日新聞に入社し職業作家として書いた第一作。名取春仙も漱石と同年に東京朝日新聞社に入社し、夏目漱石(そうせき)の「虞美人草」の題字飾りカットをえがく。6月23日より10月29日まで連載された「虞美人草」にさし絵はなく、橋口五葉、春仙が東京朝日新聞で、野田九甫、赤松麟作が大阪朝日新聞でそれぞれ20種ほどを描いて、小説の展開にしたがって数回ごとに変えて使われた。東京朝日新聞16番目の鷹の像のカットには”NATO-RI”のサインが記されている

東京朝日新聞に掲載された夏目漱石「虞美人草」題字飾りカット(明治40年6月〜10月) 東京朝日新聞に掲載された夏目漱石「虞美人草」題字飾りカット(東京・大阪朝日新聞、明治40年) 東京朝日新聞に掲載された夏目漱石「虞美人草」題字飾りカット(東京・大…