高橋忠弥の絵が使われている新宿西口「ボルガ」のマッチラベル


インターネットで「高橋忠弥」を検索すると924件がヒットした。これを丁寧に片っ端から読んでいくと、風胡山房 http://hukosanbo.exblog.jp/3222076 に、新宿西口「ボルガ」のマッチラベルに忠弥の絵が使われていたという記事を見つけた。写真は風胡山房に記載されていたものを転載した昔使われていた大型のマッチラベル。結城音彦さん、無断転載で申し訳ありません。


つい先ほどコメントが入り、結城さんのご好意でもう一つの忠弥デザインの魚のマッチラベルも転載させていただくことができた(写真下)。http://hukosanbo.exblog.jp/3202927 では、結城さんの御尊父を「しげちゃん」とよんでいたという忠弥の話も読むことができます。




この記事は昭和25年当時の話を結城音彦氏が想い出話のように書かれたもので、未だにこのマッチラベルが「ボルガ」で使われているかどうかはかなり不安だったが、かすかな期待を寄せながら足をはこんでみた。この店には女房の恩師でもあった故・島袋勉先生にお供して何度か行ったことがあるのですぐに見つけることが出来た。


かつて小田急ハルクだったビルの裏側にあたるところに二階建ての古い建物がたたずんでおり、これが「ボルガ」だ。実はかつて私が訪れたのはもう30年も前の事だったので、「ボルガ」が同じ場所にまだあるのかどうかということの方が不安でもあった。しかし、そんな不安は一掃され、昔のままで颯爽と目の前に現れた。旧友に出会ったかのようでなぜか嬉しかった。写真はこれも結城音彦さんのブログからの転載です。



入り口のレジに立っている店主のように見えた白髪の恰幅の良い男性に、「高橋忠弥のことを調べているのですが……」と切り出し、インターネットからダウンロードしたマッチラベルの印刷物を見せた。このマッチは現在は使われてはおらず、ブログの記事は店長の弟が書いたものだという。話をしていると若い店員が、マッチ箱をひとつ差し出してくれた。現在使用中のマッチで、署名はないがやはり高橋忠弥が描いたものだそうだ。


マッチの実物が手に入るなどとは思っていなかったので、大感激だ。嬉しさあまって私の名刺を置いてくるのを忘れてしまった。挨拶もそこそこに引き返してしまい、お店には大変ご迷惑をおかけしました。写真は昨夜いただいた忠弥の絵が使われている「ボルガ」のマッチだ。どうです、かなりいいですね!!満足満足。もう既にマッチは実用品ではなくなってしまったが、それでも忠弥のマッチを配り続けている「ボルガ」の心意気に感銘の拍手を送りたい。


もう一つ、筆立てのようにして使っている、魚の絵のマッチもあったが、こちらをもらうほどの度胸はなく、そのうち写真を撮らせてもらいにうかがうことにした。それにしても忠弥がこの店に来て酒を呑んでいたとは、じっとそこにたたずんでいると忠弥と会話ができそうな雰囲気のあるいい店だ。