へびに卵を食べられてしまったからすの夫婦が、知恵者のフクロウに相談し、へびを自滅させる話だ。翻訳本で、バーバラ・クーニー:画、じんぐう てるお訳、オルダス・ハクスリー:文『からすのカーさんへびたいじ』(冨山房、1988年)。



バーバラ・クーニー:画、じんぐう てるお訳、オルダス・ハクスリー:文『からすのカーさんへびたいじ』(冨山房、1988年)
日本では、どちらかというとカラスは悪者的な存在の場合が多いが、『からすのカーさんへびたいじ』では逆に被害者になっているのが、翻訳本らしくて面白い。この本は、神保町・東京堂のショウウインドウで企画展示されていたものを購入してきたもの。



バーバラ・クーニー:画、じんぐう てるお訳、オルダス・ハクスリー:文『からすのカーさんへびたいじ』(冨山房、1988年)



バーバラ・クーニー:画、じんぐう てるお訳、オルダス・ハクスリー:文『からすのカーさんへびたいじ』(冨山房、1988年)
動物や昆虫を擬人化するのは。洋の東西を問わず昔から盛んに行われていたようだ。日本では京都市右京区高山寺に伝わる鳥獣人物戯画が有名で12世紀 - 13世紀(平安時代末期〜鎌倉時代初期)ころから描かれていた。『からすのカーさんへびたいじ』もそんな擬人化されたからすで、眼鏡をかけたり、帽子をかぶったりしている。からすの奥さんが卵を食べてしまったへびに抗議をしている場面。


最後の場面では、鳥類でありながら、こどものおむつを蛇の死骸でつくった物干しに干しているのが、何とも不思議だ。

バーバラ・クーニー:画、じんぐう てるお訳、オルダス・ハクスリー:文『からすのカーさんへびたいじ』(冨山房、1988年)