『本の手帳』6号が本日発売になりました。

パソコンのおかげで、一人でも出版が出来るようになり、ありがたいことです。


一人でこつこつと、企画、原稿の依頼などの編集作業、レイアウトや校正入力をやり、先週印刷に入れたデータが、本日やっと本になり、納品されました。これで、やっと出版のスタートラインに立つことができました。ここまでならば、誰でも出来る自費出版なのですが、これからが自費出版を自慰出版で終らせないための出版「業」です。


今日からは、配本の為に、書店巡りが始まります。
1件1件電話して、注文を取り、配達まで一人でやります。


最初の電話は地方小出版の岡安さんへ。「竹中英太郎佐野繁次郎小津安二郎などが特集されています。」というと、「それなら80部送ってください。」とのうれしい返事が、返ってきて、こいつは端から幸先いい!


次は中野・タコシェの中山さんに電話をする。初めてだと思って、恐る恐る電話をしたら、何と私のことを知っていてくれた。何とも私のほうでは記憶がなく、大変失礼をしてしまったが、10冊置いていただけることになった。


模索社の綿貫さんに電話をする。いつも、穏やかな対応で、「今回もお願いします」というと「もちろんです」との返事を頂いた。
今晩は、事務所のすぐ近くにある新宿・模索舎へ5部納品しに、帰宅途中に寄ります。


東京堂の松本さんに電話をする。「前回納品が30部でしたので今回も……よろしくお願いいたします。」とお願いすると「良く売れるので、今回は40部持ってきてください。」との、嬉しい返事でした。東京堂の3階にある地方小出版のコーナーにたちより、畑中さんに挨拶をする。『本の手帳』6号を見てすぐに、「これならあと20〜30部持ってきても、売れちゃいますよ」とのありがたいご託宣。さすがは元書肆アクセスの店長。お気持ちは充分に頂きました。


昼間は、神保町・東京堂、呂古書房、美篶堂と配本して廻り、「彷書月刊」や「古書通信」に本の紹介をしてもらえるようにご挨拶して、更に執筆者の滝口富夫さんや堀口稔さんに御礼かたがたお届けしようと思っています。


夜は、中央線沿線で、中野・タコシエ、高円寺・高円寺茶房書林、西荻窪信愛書店、吉祥寺・百年等を廻ります。


池袋・リブロや新宿ジュンク堂には、地方小出版社を通して配本されます。
定期購読者や地方在住の執筆者にクロネコメール便で送ったり、なんのかんので、今回はすでに残部が90部しかなくなってしまった。地方の書店15店に配本すると、手元の残部はなくなる。まだ配本しただけだが、これで返本がなければ、おめでたいことです。ありがたいことです。


営業活動も兼ねて、4月には、吉祥寺の古書店「百年」で定員40名の講演会「佐野繁次郎の装丁本と、横光利一『機械』『時計』の装丁」を開催します。
還暦の身に一人出版社と春の雪は、結構つらい。


●目次より
02…大貫伸樹佐野繁次郎の装丁本と、横光利一『機械』『時計』の装丁
16…中村恵一…挿絵画家竹中英太郎のデビューの頃
24…田坂憲二…小津本紳士録(二)
34…坂口 博…黒田静男と「芸林」
46…滝口富夫…再読 天平の甍―初老書籍製作者の昔語り―
56…堀口 稔…『新聲』の記事から

A5判、64頁、定価1,050円(税込)+送料80円=1130円


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