リトマス紙を試してみたが……

 
同じ本に、4種類のジャケットを用意したようだが、これもさすがの講談社だ。もう10年くらい前のことかもしれないが、乃木坂にあった日活会館で、日本図書設計家協会主宰の林望氏の後援会があった。そこで私は「いずれ、インターネットが普及したら、ジャケットは数種類作られるようになって、読者はその中から好きな装丁を選べるようになるのではないでしょうか?」との質問をしたら、即座に「そのようなことは、ありえません」と考える様子もなく否定されてしまった。
 
講演の最後にもしつこく「沢山用意された装丁の中から、販売点数によって装丁家には、装丁料が支払われるような時代がやって来るのではないかと思いますが、如何でしょうか?」との質問をしたが、不愉快そうに「そんなことは起こりえません」と断言した。