谷根千で営業活動

10日の夜に、ネットサーフィンをしていて千駄木往来堂書店」に出会い、「棚は、管理するのではなく、編集する」という言葉に魅せられ、「本の手帳」2号をぜひとも置いていただきたいと思い、メールを送った。


こんな本屋さんに置いてもらえたら執筆してくれたみんなも嬉しいに違いない。本当に本が好きな本屋さんに。「往来堂書店」のHPをのぞいてみると、そんな本屋さんの気持ちが伝わってきます。



早速、翌朝、笈入(おいり)さんから注文を頂くことが出来て、今日12日は、「本の手帳」を持って嬉しい谷根千(やねせん、谷中、根津、千駄木の総称)詣でと相成った。何もやることがなくぶらりと散歩したくなると、よく谷根千に出かけることがあるほどで、東京では吉祥寺と並んで大好きな町です。谷中銀座は暖かさに誘われて飛び出してきたのか歩くのが困難なほどのひと、ひと、ひと。私も揚げ天や焼きおにぎりなどを頬張りながらウインドウショッピングを楽しむ。


往来堂書店」に行く途中に、以前「不忍通り一箱古本市」では混雑していて店の中に入れなかった「古書ほうろう」さんにフラッと立ち寄った。「放浪」なのか洗面器の「ホウロウ」なのかどんな字を当てるのだろうかななどと、つまらない自問自答を繰り返しながら清潔感のある店の中を一回りして、品揃えを確認させてもらった。


1冊1冊選び抜かれた本で、内容をしっかりと分類し、どの本も丁寧に慈しむように飾られた店内から、本を大事にしている店の佇まいと品位を感じた。こんな店に「本の手帳」を置いてもらえたら嬉しいんだがなあ。挨拶しちゃおうかな、なんておもうと、途端に面接試験を受ける時のような緊張から来るどきどきが体中を襲い始める、が、ぐっと抑えて、思い切ってレジに行き名刺を出して挨拶をした。




実は、帰りにもう1店舗営業しようと思って持ってきた10冊を取り出して、「こんな本を自費出版しているものですが、委託で置いていただけませんでしょうか」と恐る恐る本をさしだすと、いがぐり頭の店の方が「東京古書会館で『1920-30年代の装丁』講演をした大貫伸樹さんですね、聞きました。さいたま文学館での『装丁浪漫』も聞きました」と、うれしいことに私の事を知っていてくれた。こんなところで講演会に来てくれた人に出会うとはラッキー!でした。いがぐり君のやさしい反応にホッ!!とため息です。


話をしているともう一人美人がタイミングよく話に加わってくれて、「私、大貫さんのブログを見ています」と援護射撃をしてくれた。うれしい〜!!感謝、感謝。「これならぜんぜんもんだいないよね、うんすぐに売れてしまいそうですね」と、なんだか二人はお店の方だったようで、二人でうなずいてくれあっさり委託を承諾してくれた。



「表紙のオブジェは大貫さんが制作したんですか?」との、話袋(堪忍袋のようなもの)の緒を解くようにくすぐるようないがぐり君の誘導尋問に導かれ、それまでの緊張が解け、なだれのように話が始まり、二人に個人講演会を浴びせてしまった。ご迷惑をおかけいたしました。ショウウインドウには地元のアイドル内澤旬子さんの『世界屠畜紀行』の原画やスケッチブックなどが飾られて、新刊本書店のショウウィンドウを見まごうばかりだ。おいらにも本当に『装丁とオブジェ展』をやらせてくれないかな?

二人の名前も聞かずに帰ってきてしまいましたが、もしかして、宮地健太郎さんと宮地美華子さんだったのかな?早速HPへの掲載ありがとうございます。


途中で油を売ってしまったので、目的の往来堂さんへは2時間も遅れで訪ねる事になってしまい、笈入さんには会うことができませんでした。申し訳ありません。棚にはおいらの本『装丁探索』『製本探索』も並んでおりました。ありがとう。