さすがは版画家・恩地孝四郎

shinju-oonuki2006-03-28

野田宇太郎『新東京文学散歩』(日本読売新聞、昭和26年)は、木版画家ならではの発想が活かされたうまい装丁だ。真ん中に三菱が丸く太ったような図案を彫り、この一つの版を黄土色で刷り、そのあとに版を180度回転させ、今度は色を変えて青で刷り重ねてある。黄土色と青が重なったところは、濃い緑色になり、色が重ならないところは、それぞれの色がなまのまま出てくる。