『書痴の散歩』は伏せ字本

shinju-oonuki2005-12-05

 
城市郎『発禁本曼荼羅』(河出書房新社、1992年、定価3000円)を吉祥寺のさかえ書房で購入した。立ち読みで済まそうとも思ったが「最終番号本『書痴の散歩』」という、たった3頁の記事の見出しに魅かれてつい古書価1800円を渋りながら購入してしまった。
 
城が購入した『書痴の散歩』〈書物展望社昭和7年11月10日)は最終第1,000号の記番入り、刊行者・岩本三郎宛の献呈本で、献辞入り。おどろくなかれ献辞だけではなく、旧蔵者の鉛筆書きで「傘の図柄を定めてから番号を割り当てたのは四、五冊の由、一番(徳富)蘇峰、二番禿(徹)氏とこの本だった」とも記されていたというから、血統書付のお宝本といえる。