【砕け散る波頭を思わせるタツナミソウの花!】…市内の植物探索(43)

【砕け散る波頭を思わせるタツナミソウの花!】…市内の植物探索(43)
 和名タツナミソウは、「立浪草」の意で、一本の茎から小さな花が何本も同じ方向に向かって咲くようすが、寄せては返えす波のように、盛り上がり砕け散る波頭を思わせることから「タツナミソウ(立浪草)」と呼ばれるようになったそうです。青紫色の花が群生する様子を見ながら耳を澄ますと波音が聞こえてきそうな気がしますね。
 花期は5-6月。花は左右対称。花びらが一体化して基部では筒状となります。花の形状は、とてもユニークでがくからすぐに垂直に立ち上がります。花弁は長く2cmほど、上部で上唇弁と下唇弁に分かれ、上唇弁は波頭のように盛り上がり、下唇弁は突き出て下降し、蜜標となる紫色の斑点を付けます。花色は紫が基本ですが、藤色、赤紫、濃淡がある桃色、白もあります。
 花の特徴的な形から、別名「ヒナノシャクシ(鄙の杓子)」と呼ばれることもあります。花びらの先がスプーンのように広がって細長く開花している様子は、幼児用スプーンに似ているかもしれませんね。
  日本では、本州、四国、九州に分布し、丘陵地の林縁などの半日陰地、草地に生育します。国外では、朝鮮半島、台湾、中国大陸(中南部)、ベトナムまでの広範囲に及んでいるシソ科の多年草です。
 漢方の世界で重宝されている植物で、タツナミソウの全草を天日干ししたものを煎じて飲むと、滋養強壮効果がもたらされるそうで、「 私の命を捧げます」という花言葉は、その効能に由来するようです。
 
西東京市保谷町6丁目で2024.4.27に撮影したタツナミソウの花

 
西東京市保谷町6丁目で2024.4.21に撮影

 
西東京市泉町1丁目で2024.4.22に撮影

 
西東京市保谷町5丁目で2024.4.22に撮影