献辞だけではなく著者の書き入れも

 
さらに伏せ字のところに著者の書き入れがあったという。何ともうらやましいばかりに情報量の多い本である。古書価は記されていないが、恐らく結構な価格だったものと思われる。伏せ字は「二三二頁四行十七字目『○○○○(幸徳秋水)の蔵書印……』同頁七行三字目『大○(逆)文庫』……等」とあり、昭和7年の頃は、名前を記しただけでも検閲を受けたようで、驚いた。