2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧
ペンを使った繊細な絵というだけではなく、大胆な構成やコラージュという貼り合せの技法を採り入れたり、と、前衛美術運動にも連動した斬新な様式を採り入れている。 岩田専太郎:画、吉川英治「鳴門秘帖」(大阪毎日新聞、大正15年〜) 9月には東京に戻り、…
そんな専太郎を川口松太郎は「多忙になると長い時間をかけて仕事をすることが出来ず、岩田式定型に安住して作風が硬化して行くのも已むを得なかった。そんな時に『絵がマンネリになりかけているぞ』と警告するのも私で、彼も素直に頷き『少し忙しすぎたんだ…
「〈浮世一代女〉を書いた時、ひょっとしたらという望みをいただいて、岩田専太郎氏におねがいしたら、かなえられて、お宅へうかがった。岩田氏はゴルフのパターの練習をしながら、待ち受けられ、実をいうと、ぼくは、まだ小説の構想など何もなかったのだ。…
チャブ屋*の世界では名の通ったメリケンおこまの淫蕩無頼の生涯を描いた、野坂昭如『浮世一代女』(新潮社、昭和48年)の表紙絵は、ちょっと見、専太郎の絵とは判りにくい。そのくらい大胆に画風を変えることができるのが、専太郎だともいうことができる。(…
「吉川英治全集」は、新たな挿絵を描いて挿入しているが、これでは意味がない。出版社は、挿絵の重要性に関する認識が欠けているのではないだろうか。新聞掲載時の白黒のイラストよりは、カラーの挿絵を新たに加えたほうが見栄えがいいのはわかるが、明らか…
主役のイメージ作りにも、多くの作家が、挿絵にヒントを得ながら作り上げたことを述べている。新聞小説の場合は、文章に詳細な説明がなくとも人物の着物や髪形、身長、体重などを先行して作り上げなければならないことが多いからだ。風景、建物などについて…
ネットでは1冊500円以上の吉川英治全集も、ここでは3冊500円。全巻欲しかったが、3冊だけでずっしり重い。 ほかには、須田剋太が描いた「街道をゆく」も購入。「坂の上の雲」は2種あったが、いずれにも挿絵は掲載されていない。新聞小説を単行本にする時…
この展覧会の出品作品が「粋美挿画」VOL.2の作品展出品作品として掲載されることになる。ちなみに巻頭特集は「岩田専太郎」「濱野彰親」を予定している。そして「素晴らしいJPALの先輩たち」では、高畠華宵、椛島勝一、山口将吉郎を予定している。その他、更…
「本の手帳」ではいつもお世話になっております。 今回は、日本出版美術家連盟が6月6日に刊行する「粋美挿画」創刊号(年1回刊行)のお願いです。巻頭特集14頁(「99歳でなおも活躍を続ける挿絵画家・中一弥」、第40回日本出版美術家連盟作品展出品43名の作…
高畠華宵(1888〈明治21〉-1966〈昭和41〉年)享年78歳 椛島勝一(1888〈明治21〉-1965〈昭和40〉年)享年77歳 山口将吉郎(1896〈明治29〉〜1972〈昭和47〉年)享年76歳 を予定している。10日間くらい略歴作りをやってみて、その大変さを痛感している所へ、…
原稿は一応完成していたが、ここ10日くらいは、資料などで確認しなければならないことがたくさんあって掛かり切りになっていたのだが、なかなか進まず、気持ばかりが焦り大変だった。発売予定がどんどん遅れたが、6月末には刊行されるのではないだろうか。 …