続いて大正15年(1926年8月)作家デビュー間もない吉川英治を一躍大人気作家に押し上げた時代小説「鳴門秘帖」(大阪毎日新聞連載)の挿絵を担当。ビアズレー風のタッチで話題になり、「モダン浮世絵」とよばれ評判を呼んだ。

ペンを使った繊細な絵というだけではなく、大胆な構成やコラージュという貼り合せの技法を採り入れたり、と、前衛美術運動にも連動した斬新な様式を採り入れている。






岩田専太郎:画、吉川英治鳴門秘帖」(大阪毎日新聞、大正15年〜)


9月には東京に戻り、同市滝野川区田端476 番地(現在の北区田端)に転居、10月東京日日新聞に採用される。同界隈はいわゆる「田端文士村」で、翌年隣地に川口松太郎が転入した。