新聞小説の挿絵は、注目率を高め、読解を助け、人気を牽引するだけではなく、時には著者のイメージ作りに影響を与えることもあり、作品形成に重要な役目を果たしていることがあり、文学的資料としての価値は、文章に劣らない。


主役のイメージ作りにも、多くの作家が、挿絵にヒントを得ながら作り上げたことを述べている。新聞小説の場合は、文章に詳細な説明がなくとも人物の着物や髪形、身長、体重などを先行して作り上げなければならないことが多いからだ。風景、建物などについても同様でただ「門」とあるものを描くにしても様々な門があり、その中から挿絵家が適切なものを選択して描いている。


そんなこともあり、昔の挿絵家は、時代考証家としても映画やドラマなどに引っ張りだこだったという。