2009-08-14から1日間の記事一覧

池波正太郎の絵と中一弥

「池波さんは、若いころは鏑木清方の弟子になりたかったんだよ、とよく言っていました。それくらいの人ですから、自分でも素人絵を描いていました。なかなか巧い絵を描いていました。池波さんが憧れた鏑木清方は、若いころ挿絵も描いていたんです。それで、…

中 一弥(なか かずや)一九一一年、大阪府北河内郡大和田村(現・門真市)生まれ。挿絵画家。一九二七年、十六歳のときに小田富弥に画才を認められ、弟子となる。一九二九年、直木三十五『本朝野士縁起』で挿絵デビュー。以後、七十年以上にわたって、『銭形平次捕物控』『夢介千両みやげ』『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』をはじめとする、数々の時代小説の名作に挿絵を描きつづける現役最長老の絵師。 吉川英治、野村胡堂、山本周五郎、山手樹一郎、山田風太郎、村上元三、海音寺潮五郎、司馬遼太郎、池波正太郎、有吉佐和子、

中一弥には三人の自慢の息子たちがいる。『挿絵画家・中一弥』の中に何度もフルネームで登場する逢坂剛は、「僕は、逢坂剛と、一番長いこと暮らしました。彼が博報堂に入社して、昭和五十年の秋に結婚するまで、その間、ずっと一緒に暮らしていました。その…