ムック本『デザインのひきだし』28

巻頭特集「日本の先達たちのすごい造本を見よ!」20頁の監修及び資料の提供などを担当したムック本『デザインのひきだし』28(グラフィック社)の見本誌が送られてきた。
 斎藤昌三がプロデュースした番傘やミノムシ、筍の皮などを装丁に利用した本を中心に40冊ほどのゲテ本(奇抜な資材を使った本)を紹介した。





 写真下は、赤い表紙を本のサイズよりも小さくした大胆な実験を試みている。網代綴じの部分に耐久力などに多少の不安は感じるが、普段は見ることができない「背」の構造を覗き見ることができるのが楽しい。紙見本のページの製本は「断裁無線綴じ」になっているが、その他は「網代あじろ)綴じ」になっているのが分かる。



 私が楽しみにしている「古の製本に挑戦」、今回は、斎藤昌三『銀魚部隊』(書物展望社昭和13年)の復刻に挑んでいる。
 表紙には使い古した友禅の型紙を貼り込み、その型紙でプリントした紙を見返しに使うという、世界に同じデザインの本はこれ1冊しかないという本だ。こんなとんでもなく手間のかかる本を斎藤昌三は初版550部、「快速追撃版」として180部、都合730部を作り出した。



 他にも造本や装丁にまつわる「現代にもすごい造本の本は沢山ある!」、「外国のすごい造本を見よ!)などなど、楽しい企画が目白押しだ。