図録『杉浦非水展 都市生活のデザイナー』を購入

ネットで注文した図録『杉浦非水展 都市生活のデザイナー』(東京国立近代美術館、2000年5月、100ページ)写真上が届いた。
 図録の間に入場券とチラシ、機関誌『現代の眼』(2000年6-7月号)が挟み込んであった。思いがけない収穫でこれは嬉しい。


 この図録での一番の収穫は見返し(写真左下)に使われている1912(大正元年3月)に日比谷図書館で開催された「書籍装幀雑誌表紙図案展覧会」の写真が、書籍のタイトルが読めるほどに大きくはっきりと印刷されていることだ。この展覧会の展示作品の資料がなくどんな作品が展示されたのか、全貌を知ることができないでいた。
 これまでも何度かこの写真の印刷物を見てきたが、文字を読むことは難しかった。宇都宮美術館では1間ほどの大きさに引き伸ばして展示してあったがそれでも読むことは難しかった。 いずれ解読してみようと思う。





他にも、非水といえば「三越タイムス」といわれる非水の代表作の表紙写真は42点も掲載されている。
 杉浦非水年譜にはパリに行った時の写真や三越図案室で作業をする写真など貴重な写真が掲載されている。

 『現代の眼』にはたばこと潮の博物館学芸員・谷田有史「日本デザイン史の巨星・杉浦非水の業績について」と、工藤弘之「杉浦先生の思い出」が掲載されている。
工藤弘之は非水の養子になった工藤登紀子の弟で、毎日のように晩酌のお供をしていたという。「博学でした。…眼についたものは必ずその場で絵に描く。鉛筆とスケッチブックはいつも持ち歩いていました。それとカメラ。『百花譜』はそうして出来上がったものです。」とも記している。