華岡青州が乳がんの全身麻酔の手術に用いた曼陀羅華

華岡青州(1760〜1835)は、世界で始めて全身麻酔薬を創製して乳がん手術に成功し、漢方から蘭医学への過渡期に新時代を開いた江戸後期紀州の外科医として知られる。乳がん全身麻酔の手術に用いたという曼陀羅華(まんだらげ)は、チョウセンアサガオの葉を乾燥したもの。



開花期の葉を乾燥したものを、ダッラ葉「曼陀羅華(まんだらげ)」、種子を乾燥したものを、ダッラ子「曼陀羅子(まんだらし)」という。麻酔薬の創製には、深山に分け入って草根実を採取し、空き地に薬草を栽培し、鳥や動物に与えて薬効を記録。麻酔剤「通仙散」を完成させるために母や妻にも与えて薬効を調べた。その結果、母は死に、妻は失明した。



Georgia O'Keeffe『100 Flowers 』(Knopf; Gift版 1990-10-24)
ジョージア・オキーフ(1887-1986年)は、20世紀のアメリカを代表する女性画家。70年にも及ぶ長い画歴のなかで、ほとんど風景、花、そして動物の骨だけをテーマとして描きつづけた。なかでも彼女を一躍有名にした画面いっぱいに拡大して花の絵を描いた作品群や、牛の頭蓋骨をイコンのように威厳を込めて描いた作品群がよく知られる。またアメリカで(世界的にみても)抽象画を描きはじめた最初期の画家の一人でもある。