有志が集まり、身銭を切って挿絵界のための啓蒙書を目指して出版に踏み切ったのだろうか。自費出版であることからも下高原たち13名の「挿美会同人」たちの高い見識が感じられ、今更ながら拍手を送りたい。、昨日も掲載したが、敬意を表して再度13名の名前を掲載しよう。

伊勢田邦彦  ◆濱野政雄   ◆加藤敏郎   
◆土端一美   ◆成瀬一富   ◆上西憲康   
◆岡本爽太   ◆山田彬弘   ◆谷田貝寿広   
◆由谷敏明   ◆下高原健二  ◆平野林作   
◆森下和男


「自選画集1」では、最初に紹介されたのは岩田専太郎の挿絵だ。専太郎は同人ではないが、顧問のような存在だったのだろうか、創刊記念パーティでも挨拶をしており、さしゑのグループとはカナリ親密な関係だったものと思われる。



岩田専太郎:画、「自薦画集」(「さしゑ」1号、昭和30年4月)



清水三重三:画、「自薦画集」(「さしゑ」1号、昭和30年4月)



田代光:画、「自薦画集」(「さしゑ」1号、昭和30年4月)



田中比左良:画、「自薦画集」(「さしゑ」1号、昭和30年4月)


最初に掲載されているのが、13名の同人の作品ではない所に、本気で挿絵の啓蒙に係わっているぞという姿勢を感じるので、かなりの策士が編集に加わっていたのではないかと思われる。