「さしゑ」創刊号110pには、13名の「挿美会」同人の外に、70名の「寄稿家名簿」が掲載されている。この幅広いジャンルからの寄稿者達が自費出版の挿絵啓蒙書の執筆陣とは、驚かされる。ちょっと大変な作業だが、タイプアップしてみよう。


「寄稿家名簿」(「さしゑ」創刊号110p、昭和30年4月1日)


有木 勉………(編集者)
有馬稲子………(映画女優
伊藤文八郎……(編集者)
今村恒美………(画 家)
岩井泰三………(画 家)
磐前半五郎……(評論家)
岩田専太郎……(画 家)
田吉夫………(画 家)
宇井無愁………(作 家)
遠藤祐吉………(編集者)


近江俊郎………(歌 手)
大庭さち子……(作 家)
大林 清………(作 家)
岡崎武彦………(画 家)
荻原賢次………(漫画家)
桂 小金治……(落語家)
鴨下晁湖………(画 家)
川原久仁於……(画 家)
木原三樹………(画 家)
北村小松………(作 家)


木俣清史………(画 家)
久我美子………(映画女優
小泉 純………(評論家)
小林秀美………(画 家)
齊藤 稔………(編集者)
佐藤泰治………(画 家)
清水三重三……(画 家)
志村立美………(画 家)
神保朋世………(画 家)
杉下 茂………(野球選手)


杉村春子………(新劇女優)
田代 光………(画 家)
田中定雄………(編集者)
田中比左良……(画 家)
高木 清………(画 家)
高橋加寿男……(編集者)
高峰秀子………(映画女優
竹田敏彦………(作 家)
玉井徳太郎……(画 家)
寺本忠雄………(画 家)


冨田千秋………(画 家)
富永健太郎……(画 家)
那須万弘………(編集者)
中 一弥………(画 家)
仲町十四男……(作 家)
中野 淳………(画 家)
永井 保………(漫画家)
野沢 純………(作 家)
野村胡堂………(作 家)
灰田勝彦………(歌 手)


橋本晴介………(編集者)
林 唯一………(画 家)
藤掛寅七………(編集者)
藤山一郎………(歌 手)
北条 誠………(作 家)
星野哲次………(編集者)
細木原青起……(画 家)
牧野英二………(編集者)
牧野吉晴………(作 家)
丸尾文六………(編集者)


御正 伸………(画 家)
三谷一馬………(画 家)
嶺田 弘………(画 家)
宮尾しげを……(画 家)
宮本幹也………(作 家)
茂田井 武……(画 家)
森本 栄………(編集者)
矢沢領一………(編集者)
島健三………(画 家)
山本武夫………(画 家)
(五十音順)

と、編集者以外はほとんど、私でさえわかるほどの有名人ばかりだ。この人脈のすごさといったら、驚くばかりだ。とても挿絵家の有志による編集とは思えない。プロの編集者がたくさん寄稿してくれているあたりに、これだけの執筆陣を揃えることが出来た背景があるのかもしれない。


『大衆の心に生きる昭和の画家たち』に「新聞社や有力雑誌社は意気に感じ、きそって応援した。」とあるのも、まんざら大げさな表現ではなさそうだ。