「寓話道話おとぎ話」(『修養全集4』大日本雄弁会講談社、昭和4年)にはイラストが満杯!


1冊の本にさし絵家が59人も登場している本をそんなにたくさんは見つける事はできないであろう。『修養全集4』には武井武雄、川上四郎、水島爾保布、中沢弘光、伊藤幾久造、名取春仙などなどの当時スター的な存在だったさし絵家たちを含めた59名が腕を競っている。


この本に登場する59名の落款(サイン)を解読してみようと思っているのだが、果たして全員が落款を残してくれているのか。さし絵家名は目次の後にまとめて列記されているので、個々のさし絵を誰が描いたのかは、さし絵の隅にかかれている落款を頼りにするしか方法がない。


いきなり最初の絵には落款がなく、誰が描いたのかはわからない。前途多難か。でもすぐに次の挿絵には落款を見つける事ができた。伊藤幾久造だ。



いやいや案外前途洋々かも。続いて吉野尚方、池田永治。みんなこんな感じで、読める落款であってくれると話は簡単なのですが、但し、それでは追求する楽しみが半減する。昨日の一木トンのようにいったいなぜこんな形になるのか、と悩ませて欲しい。





さらに的場朝二、武井武雄と好調な出足だ。挿絵家の知名度と絵のグレードは何となく比例しているのが、既にこの時点でわかるような気がする。それにしても、これだけたくさんの挿絵が入っている本は、眺めているだけで嬉しくなってくる。







今日のところは、完璧に解読したぞ〜。それにしても武井武雄がなぜ「RRR」なのかわかりますか? 答えは、タイミング良く記載されている下記のバナー広告の『ラムラム王』にあります。一読をお勧めいたします。あれ、折角紹介したのに、加筆したら広告が変わってしまった。