2012-03-31から1日間の記事一覧

数冊しか所有していないが大正〜昭和初期の「婦人画報」の表紙は美しい。昨日購入した数冊は武井武雄が表紙絵を描いているが、今でも書店にあったら充分に通用するほどに個性的で力強く魅力的だ。

この「婦人画報」(昭和2年、3月号)には、美しい挿絵がたくさん掲載されている。その多くが、武井武雄によって描かれたものと思われるが、表紙の「RRR」以外は、なぜか「T」の字の縦棒に団子をさしたようなサインや、「Ta」など、普段あまり目にしないサイ…

戦時中の雑誌に記載されている挿絵にはサインを記さない絵がよくある。坪内節太郎(1905[明治38]-1979[昭和54]年)の挿絵にはサインはあるが名前の「坪」ではなく「壷」という文字を使っているいるのはなぜか、何かカムフラージュする意図があるのだろうか? 

坪内は1926(大正15)第4回春陽会展初入選、上京 1928(昭和3)毎日新聞連載小説「懐疑狂時代」(小酒井不木)の挿絵担当。以降、新聞や雑誌(〈新青年〉など)の挿絵を多数描く

麻生豊(1898[明治31]-1961[昭和36]年)といっても知る人は少ないだろうが、北澤楽天が主宰する漫画家養成塾「漫画好楽会」を経て、報知新聞社に漫画記者として入社。当初は政治漫画を中心に執筆していたが、関東大震災(大正12年)直後、編集長から震災で打ちのめされた心の痛手、復興への厳しい生活の毎日、そうした社会に安らぎを与え世の中を明るくするような漫画を依頼され、1922年(大正11年)から報知新聞夕刊で『ノンキナトウサン』を連載。日本初の新聞四コマ漫画といわれる「ノンキナトーサン」は1926年(大