この「婦人画報」(昭和2年、3月号)には、美しい挿絵がたくさん掲載されている。その多くが、武井武雄によって描かれたものと思われるが、表紙の「RRR」以外は、なぜか「T」の字の縦棒に団子をさしたようなサインや、「Ta」など、普段あまり目にしないサインをたくさん考案し1点1点サインを書き分けているのが気になる。1冊の本のカットを一人でたくさん描いているのではない、というのを演じようとしているのだろうか。
「婦人画報」(昭和2年、3月号)で更に気になるのは、画風は武井武雄に似ているのだが、サインは「TERU」となっている。このサインは円本全集などでもよく見るサインだが、画家名を活字で記されることがなく、誰のサインなのか不明だった。