やっと手に入れた真山青果『江戸城総攻め』(春秋社、大正15年7月3版)

shinju-oonuki2006-03-23

昨年5月に、東京古書会館で「1920-30年代の装丁」展をやったときに、この本を何とか手に入れようと探していたが、とうとう手に入れることが出来ず、展示が出来なかった本だ。恩地が盛んに木版画を表紙に使い始めたころの作品で、機会刷りだが3色刷りオリジナル木版画の装丁で、印刷インクにはない、絵具特有の感じが何とも言えない深い味わいを出している。吸い込まれるようなマットな感じは顔料系の絵具独特の味わいがある。
 
この時期は、モチーフに星座のような模様を使っているのも特徴であろう。篆書(てんしょ)体で創作された題字もユニークで、創作文字への興味の程が伺われて興味深い。